The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 30, 2020 Vol. 382 No. 18

精神疾患とその後の身体疾患との関連
Association between Mental Disorders and Subsequent Medical Conditions

N.C. Momen and Others

背景

精神疾患を有する人は,一般集団よりもその後に特定の身体疾患が発生するリスクが高い.

方 法

1900~2015 年にデンマークで出生した 590 万人超のデータを含むデンマークの全国登録の住民ベースコホートを用いて,2000~16 年に計 8,390 万人年の追跡調査を行った.精神疾患の大分類 10 項目と,身体疾患の大分類 9 項目(31 種類の特定疾患を含む)を評価した.年齢,性別,暦時間,精神疾患の既往で補正後,Cox 回帰モデルを用いて,精神疾患と身体疾患のペアについて全ハザード比と時間依存性ハザード比を算出した.競合リスク生存解析を用いて絶対リスクを推定した.

結 果

5,940,299 人中 698,874 人(11.8%)が精神疾患を有する人と特定された.集団全体の年齢の中央値は,コホート登録の時点で 32.1 歳,最終追跡調査の時点で 48.7 歳であった.精神疾患を有する人は,有しない人よりも,精神疾患と身体疾患のペア 90 組中 76 組に関してリスクが高かった.精神疾患と身体疾患との関連のハザード比の中央値は 1.37 であった.ハザード比の最小値は器質性精神障害と癌の 0.82(95%信頼区間 [CI] 0.80~0.84)であり,最大値は摂食障害と泌尿生殖器疾患の 3.62(95% CI 3.11~4.22)であった.いくつかの特定のペアでは,リスクの低下が示された(たとえば統合失調症と筋骨格系疾患).リスクは,精神疾患の診断からの経過時間によって異なった.精神疾患の診断から 15 年以内の身体疾患の絶対リスクは,発達障害を有する人での泌尿生殖器疾患の 0.6%から,器質性精神障害を有する人での循環器疾患の 54.1%まで幅があった.

結 論

精神疾患の大部分はその後の身体疾患の高いリスクと関連しており,ハザード比は 0.82~3.62 の範囲をとり,精神疾患の診断からの経過時間によって異なっていた.(デンマーク国立研究財団ほかから研究助成を受けた.COMO-GMC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03847753)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1721 - 31. )