ナロキソン OTC 薬の薬剤情報ラベル作成のための FDA のイニシアチブ
FDA Initiative for Drug Facts Label for Over-the-Counter Naloxone
B.R. Cohen and Others
オピオイド危機により,ナロキソンへのアクセスを,場合によっては処方箋なしでの販売(OTC 販売)を規制当局が承認することによって増やす必要があることが注目されている.業界が認識するそのようなアクセスへの障壁に取り組むため,米国食品医薬品局(FDA)は OTC 販売用の薬剤情報ラベルのモデルを作成し,消費者が安全かつ有効に使用するために重要な記載事項を理解したかどうかを評価した.
ラベル理解度研究で,オピオイドを使用している成人とその家族・友人 430 人を含む成人・思春期児(15~17 歳)710 人に,構造化面接を個々に行った.ラベルに示されている重要な各ステップについての使用者の理解度を評価するため,8 つの主要エンドポイントを作成した.これらのエンドポイントはそれぞれ,95%正確信頼区間の目標閾値を 80~90%の範囲に事前に設定し,下限を比較して評価した.
6 つの主要エンドポイントの成績は,閾値に達するかそれを上回った.内訳は「過量服用の疑いを確認する」ステップ(閾値 85%,点推定値 [PE] 95.8%,95%信頼区間 [CI] 94.0~97.1),「1 回目の投与を行う」ステップ(閾値 85%,PE 98.2%,95% CI 96.9~99.0)などであり,この 2 つ以外の 4 つの下限は 88.8~94.0%の範囲であった.閾値に達しなかったエンドポイントの 1 つは「ただちに 911 番に電話する」の理解であったが,この指示は目標閾値の 90%に近かった(PE 90.3%,95% CI 87.9~92.4).もう 1 つは「確認,投与,ただちに 911 番に電話」の複数のステップの理解であった(閾値 85%,PE 81.1%,95% CI 78.0~83.9).
消費者は,ナロキソンの使用に関する薬剤情報ラベル中の指示の構成要素 8 つのうち,6 つについては十分な理解の閾値に達し,残りの 2 つは閾値に近かった.全体として,このラベルモデルは,OTC 販売用のナロキソン製剤の開発における使用に適していることを FDA は見出した.