The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 6, 2020 Vol. 382 No. 6

CD19 陽性リンパ系腫瘍に対する CAR 導入ナチュラルキラー細胞の使用
Use of CAR-Transduced Natural Killer Cells in CD19-Positive Lymphoid Tumors

E. Liu and Others

背景

抗 CD19 キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞療法は,B 細胞癌において顕著な臨床的有効性を示している.しかし,CAR-T 細胞は相当な毒性を引き起こす可能性があり,またその作製方法は複雑である.抗 CD19 CAR を発現するように改変されたナチュラルキラー(NK)細胞は,これらの限界を克服できる可能性がある.

方 法

第 1・2 相試験で,再発または難治性の CD19 陽性癌(非ホジキンリンパ腫または慢性リンパ性白血病 [CLL])患者 11 例に,臍帯血由来の HLA ミスマッチ抗 CD19 CAR-NK 細胞を投与した.NK 細胞には抗 CD19 CAR,インターロイキン-15,安全スイッチとしての誘導性カスパーゼ 9 をコードする遺伝子を発現させたレトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入を行った.この細胞を体外で増殖させ,リンパ球除去化学療法後に 3 用量(CAR-NK 細胞 1×105,1×106,1×107/kg 体重)のいずれかで単回注入した.

結 果

CAR-NK 細胞の投与は,サイトカイン放出症候群,神経毒性,移植片対宿主病の発現には関連せず,インターロイキン-6 などの炎症性サイトカインの量は,ベースラインと比較して増加しなかった.最大耐用量には到達しなかった.投与を受けた 11 例中 8 例(73%)に効果が認められ,うち 7 例(リンパ腫 4 例,CLL 3 例)で完全寛解が得られ,1 例でリヒター症候群に転化した腫瘍の寛解が得られたが,CLL が持続した.いずれの用量でも効果は速やかに現れ,注入後 30 日以内に認められた.注入された CAR-NK 細胞は増殖し,12 ヵ月以上低値で持続した.

結 論

再発または難治性の CD19 陽性癌患者 11 例のうち,大部分で CAR-NK 細胞治療に対する効果が認められ,重大な毒性は発現しなかった.(M.D.アンダーソンがんセンターの CLL とリンパ腫に対するムーンショット,米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03056339)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 545 - 53. )