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October 29, 2020 Vol. 383 No. 18

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切除された EGFR 変異陽性非小細胞肺癌に対するオシメルチニブ
Osimertinib in Resected EGFR-Mutated Non–Small-Cell Lung Cancer

Y.-L. Wu and Others

背景

オシメルチニブは,治療歴のない上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)の標準治療である.術後補助療法としてのオシメルチニブの有効性と安全性は明らかにされていない.

方 法

二重盲検第 3 相試験で,EGFR 変異陽性 NSCLC の完全切除を受けた患者を,オシメルチニブ(80 mg 1 日 1 回)を 3 年間投与する群とプラセボを投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,II~IIIA 期の患者における無病生存期間とした(試験担当医師が評価).副次的エンドポイントは,IB~IIIA 期の患者集団全体における無病生存期間,全生存期間,安全性などとした.

結 果

682 例が無作為化された(オシメルチニブ群 339 例,プラセボ群 343 例).24 ヵ月の時点で,II~IIIA 期の患者の無病生存割合はオシメルチニブ群 90%(95%信頼区間 [CI] 84~93),プラセボ群 44%(95% CI 37~51)であった(再発または死亡の全体のハザード比 0.17,99.06% CI 0.11~0.26,P<0.001).集団全体では,24 ヵ月の時点での無病生存割合はオシメルチニブ群 89%(95% CI 85~92),プラセボ群 52%(95% CI 46~58)であった(再発または死亡の全体のハザード比 0.20,99.12% CI 0.14~0.30,P<0.001).24 ヵ月の時点で,オシメルチニブ群の 98%(95% CI 95~99)とプラセボ群の 85%(95% CI 80~89)が生存しており,中枢神経系への転移を認めなかった(中枢神経系再発または死亡の全体のハザード比 0.18,95% CI 0.10~0.33).全生存期間のデータは揃っていないが,この中間解析のカットオフの時点で 29 例(オシメルチニブ群 9 例,プラセボ群 20 例)が死亡していた.安全性に関する新たな懸念は認められなかった.

結 論

IB~IIIA 期の EGFR 変異陽性 NSCLC 患者のうち,オシメルチニブの投与を受けた患者は,プラセボの投与を受けた患者よりも無病生存期間が有意に長かった.(アストラゼネカ社から研究助成を受けた.ADAURA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号NCT02511106)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 1711 - 23. )