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December 17, 2020 Vol. 383 No. 25

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RNA ベースの Covid-19 ワクチン候補 2 つの安全性と免疫原性
Safety and Immunogenicity of Two RNA-Based Covid-19 Vaccine Candidates

E.E. Walsh and Others

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)への感染と,それによって生じる新型コロナウイルス感染症(Covid-19)は世界で数千万人に拡大している.複数のワクチン候補が開発中であるが,現在利用可能なワクチンはない.ワクチン候補 BNT162b1 の若年成人における安全性と免疫原性の中間解析データは,ドイツと米国で行われた試験から報告されている.

方 法

米国で進行中のプラセボ対照観察者盲検用量漸増第 1 相試験において,健康な 18~55 歳の成人と 65~85 歳の成人を,プラセボ,または脂質ナノ粒子で製剤化したヌクレオシド修飾 RNA ワクチン候補の 2 つ,すなわち分泌された三量体 SARS-CoV-2 受容体結合ドメインをコードする BNT162b1 と,膜融合前の状態で安定化させた,膜アンカー SARS-CoV-2 全長スパイクをコードする BNT162b2 のいずれかに無作為に割り付けた.主要評価項目は安全性(局所反応,全身反応,有害事象など)とし,副次的評価項目は免疫原性とした.試験群は,ワクチン候補,参加者の年齢層,用量(10 μg,20 μg,30 μg,100 μg)に基づいて定めた.1 群を除くすべての群で,参加者は接種を 21 日間隔で 2 回受けた.1 群は BNT162b1 100 μg に割り付けられた 18~55 歳の参加者で,接種を受けたのは 1 回であった.

結 果

195 例が無作為化された.全 13 群,各 15 例のうち,12 例がワクチン,3 例がプラセボの接種を受けた.BNT162b2 は,とくに高齢者における全身反応の発生率と重症度が,BNT162b1 よりも低かった.2 つのワクチン候補は,若年成人と高齢者の両方で同様の用量依存的な SARS-CoV-2 中和抗体の幾何平均抗体価を誘導し,その値は SARS-CoV-2 の回復期患者の血清標本の幾何平均抗体価と同程度かそれ以上であった.

結 論

米国で若年成人と高齢者を対象に行われたこの第 1 相試験における 2 つのワクチン候補の安全性と免疫原性のデータは,ドイツと米国で行われた試験の若年成人における BNT162b1 の安全性と免疫原性の中間解析データとともに,BNT162b2 を第 2・3 相ピボタル試験に進め,安全性と有効性を評価することを支持している.(ビオンテック社,ファイザー社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04368728)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 2439 - 50. )