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December 24, 2020 Vol. 383 No. 26

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末梢動脈疾患にパクリタキセルコーティングデバイスを用いた場合の死亡率
Mortality with Paclitaxel-Coated Devices in Peripheral Artery Disease

J. Nordanstig and Others

背景

最近のメタ解析の結果から,症候性末梢動脈疾患に対する下肢血管内インターベンションで,血管形成にパクリタキセルコーティングバルーンやステントを使用した場合に伴う,高い死亡リスクについて懸念が生じている.

方 法

登録に基づく多施設共同無作為化非盲検臨床試験のデータで計画外の中間解析を行った.解析の時点で 2,289 例が,薬剤コーティングデバイスを用いて治療する群(薬剤コーティングデバイス群,1,149 例)とコーティングをしていないデバイスを用いて治療する群(非コーティングデバイス群,1,140 例)に無作為に割り付けられていた.無作為化は重症度,すなわち患者が包括的高度慢性下肢虚血を有する(1,480 例)か,間欠性跛行を有する(809 例)かで層別化して行った.今回の中間解析では全死因死亡率を単一の評価項目とした.

結 果

追跡不能例はなかった.薬剤コーティングデバイスはすべて,コーティングする薬剤としてパクリタキセルが使用された.平均追跡期間 2.49 年間に 574 例が死亡し,内訳は薬剤コーティングデバイス群が 293 例(25.5%),非コーティングデバイス群が 281 例(24.6%)であった(ハザード比 1.06,95%信頼区間 0.92~1.22).1年の時点で,全死因死亡率は薬剤コーティングデバイス群で 10.2%(117 例),非コーティングデバイス群で 9.9%(113 例)であった.全追跡期間を通じ,2 つの治療群の死亡率に,包括的高度慢性下肢虚血を有する患者(薬剤コーティングデバイス群 33.4% [249 例],非コーティングデバイス群 33.1% [243 例]),間欠性跛行を有する患者(それぞれ 10.9% [44 例],9.4% [38 例])ともに有意差は認められなかった.

結 論

末梢動脈疾患患者がパクリタキセルコーティング血管内デバイス,または非コーティング血管内デバイスによる治療を受けた無作為化試験において,全死因死亡に関する計画外の中間解析の結果,1~4 年の追跡期間中の死亡率に群間差はみられなかった.(スウェーデン研究評議会ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02051088)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 2538 - 46. )