March 31, 2022 Vol. 386 No. 13
三日熱マラリア原虫マラリアの再発予防のための高用量プリマキン
Higher-Dose Primaquine to Prevent Relapse of Plasmodium vivax Malaria
N.N. Chamma-Siqueira and Others
アメリカ大陸の大部分では,三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)マラリアの再発予防には総投与量 3.5 mg/kg 体重のプリマキンが推奨されているが,その有効性は中等度にとどまるというエビデンスがある.
ブラジルで,三日熱マラリア原虫の単独感染が顕微鏡で確認された,5 歳以上の小児と成人を対象に,三日熱マラリア原虫マラリアの再発予防を目的としたプリマキンの 3 つのレジメンを評価するための試験を行った.全例に直接監視下でクロロキン(chloroquine)を 3 日間投与した(総投与量 25 mg/kg).グループ 1には,7 日間でプリマキン総投与量 3.5 mg/kg(0.5 mg/kg/日)を監視なしで投与した.グループ 2 には,グループ 1 と同じレジメンを監視下で投与した.グループ 3 には,14 日間でプリマキン総投与量 7.0 mg/kg(0.5 mg/kg/日)を監視下で投与した.患者を 168 日間モニタリングした.
グループ 1 に 63 例,グループ 2 に 96 例,グループ 3 に 95 例を登録した.患者の年齢の中央値は 22.4 歳(範囲 5.4~79.8)であった.28 日目までに,三日熱マラリア原虫の再出現は 3 件観察され,内訳はグループ 1 で 2 件,グループ 2 で 1 件であった.168 日目までに,再出現は 70 件報告され,内訳はグループ 1 で 24 件,グループ 2 で 34 件,グループ 3 で 12 件であった.重篤な有害事象は認められなかった.168 日目の時点で再出現を認めなかった患者の割合は,グループ 1 では 58%(95%信頼区間 [CI] 44~70),グループ 2 では 59%(95% CI 47~69),グループ 3 では 86%(95% CI 76~92)であった.生存解析では,168 日目の時点で再出現を認めなかった患者の割合の差は,グループ 1 とグループ 3 のあいだで 27 パーセントポイント(97.5% CI 10~44,P<0.001),グループ 2 とグループ 3 のあいだで 27 パーセントポイント(97.5% CI 12~42,P<0.001)であった.
三日熱マラリア原虫マラリアの再発予防には,プリマキンの総投与量 7.0 mg/kg のレジメンが,総投与量 3.5 mg/kg のレジメンよりも 168 日目までの有効性が高かった.(米国国際開発庁から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03610399)