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January 13, 2022 Vol. 386 No. 2

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冠血流予備量比ガイド下 PCI と冠動脈バイパス術との比較
Fractional Flow Reserve–Guided PCI as Compared with Coronary Bypass Surgery

W.F. Fearon and Others

背景

3 枝病変患者には,冠動脈バイパス術(CABG)を行ったほうが経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行った場合よりも転帰が良好であることが明らかにされているが,冠血流予備量比(FFR)の測定結果に基づいて行う PCI に関する試験は不足している.

方 法

多施設共同国際非劣性試験で,3 枝病変患者を,CABG を行う群と,最新世代のゾタロリムス(zotarolimus)溶出ステントを用いた PCI を FFR のガイド下に行う群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,1 年以内の主要有害心・脳血管イベントの発生とし,全死因死亡,心筋梗塞,脳卒中,再血行再建術と定義した.FFR ガイド下 PCI の CABG に対する非劣性マージンは,ハザード比の 95%信頼区間上限が 1.65 未満と事前に規定した.副次的エンドポイントは,死亡,心筋梗塞,脳卒中の複合などとし,安全性も評価した.

結 果

48 施設で 1,500 例が無作為化された.PCI 群の患者に留置されたステント数は平均(±SD)3.7±1.9 本であり,CABG 群の患者の末梢側吻合数は平均 3.4±1.0 ヵ所であった.複合主要エンドポイントの 1 年発生率は,FFR ガイド下 PCI 群では 10.6%,CABG 群では 6.9%であり(ハザード比 1.5,95%信頼区間 [CI] 1.1~2.2),FFR ガイド下 PCI の非劣性には一致しなかった(非劣性の P=0.35).死亡,心筋梗塞,脳卒中の複合発生率は,FFR ガイド下 PCI 群で 7.3%,CABG 群で 5.2%であった(ハザード比 1.4,95% CI 0.9~2.1).大出血,不整脈,急性腎障害の発生率は,CABG 群のほうが FFR ガイド下 PCI 群よりも高かった.

結 論

3 枝病変患者において,FFR ガイド下 PCI は,1 年の時点での死亡,心筋梗塞,脳卒中,再血行再建術の複合発生率に関して,CABG に対する非劣性を示さなかった.(メドトロニック社,アボット バスキュラー社から研究助成を受けた.FAME 3 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02100722)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 128 - 37. )