April 21, 2022 Vol. 386 No. 16
減量における摂食時間を制限するカロリー制限と摂食時間を制限しないカロリー制限との比較
Calorie Restriction with or without Time-Restricted Eating in Weight Loss
D. Liu and Others
減量を目的とする摂食時間制限の,長期の有効性と安全性は明らかにされていない.
肥満患者 139 例を,摂食時間制限(午前 8 時~午後 4 時の時間帯のみに摂食)と 1 日の摂取カロリーの制限を行う群と,1 日の摂取カロリーの制限のみを行う群に無作為に割り付けた.全例に 12 ヵ月間,男性 1,500~1,800 kcal/日,女性 1,200~1,500 kcal/日のカロリー制限食を摂取するよう指導した.主要転帰は体重のベースラインからの変化量の群間差とし,副次的転帰は腹囲,体格指数(BMI),体脂肪量,代謝危険因子の測定値の変化量などとした.
無作為化された 139 例のうち,118 例(84.9%)が 12 ヵ月のフォローアップ受診を完了した.12 ヵ月の時点でのベースラインからの体重減少量の平均値は,摂食時間制限群 -8.0 kg(95%信頼区間 [CI] -9.6~-6.4),1 日摂取カロリー制限群 -6.3 kg(95% CI -7.8~-4.7)であった.12 ヵ月の時点の評価で,体重の変化量に群間で有意差は認められなかった(正味の差 -1.8 kg,95% CI -4.0~0.4,P=0.11).腹囲,BMI,体脂肪,除脂肪体重,血圧,代謝危険因子の解析結果は,主要転帰の結果と一致していた.有害事象の件数についても,群間で大きな差はなかった.
肥満患者において,摂食時間制限レジメンには,体重,体脂肪,代謝危険因子の減少に関して,1 日の摂取カロリーの制限を上回る有益性はなかった.(中国国家重要研究・開発プロジェクト [No. 2018YFA0800404] ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03745612)