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March 3, 2022 Vol. 386 No. 9

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単回接種の Ad26.COV2.S ワクチンの有効性と安全性の最終解析
Final Analysis of Efficacy and Safety of Single-Dose Ad26.COV2.S

J. Sadoff and Others

背景

Ad26.COV2.S ワクチンは,第 3 相試験の主要有効性解析で,重症・重篤新型コロナウイルス感染症(Covid-19),入院,死亡の予防に高い有効性を示した.

方 法

成人の参加者を Ad26.COV2.S ワクチン(5×1010 ウイルス粒子)を単回接種する群と,プラセボを接種する群に 1:1 の割合で割り付けた国際共同無作為化プラセボ対照試験の二重盲検期間について,最終解析を行った.主要エンドポイントは,per-protocol 集団で接種後 14 日目以降,および 28 日目以降に発症した中等症~重症・重篤 Covid-19 の予防におけるワクチンの有効性とした.安全性,主な副次的エンドポイント,探索的エンドポイントも評価した.

結 果

この解析の追跡期間の中央値は 4 ヵ月であり,8,940 例が 6 ヵ月以上追跡された.per-protocol 集団(39,185 例)において,接種後 14 日目以降の中等症~重症・重篤 Covid-19 の予防におけるワクチンの有効率は 56.3%(95%信頼区間 [CI] 51.3~60.8,症例数:ワクチン群 484 例 対 プラセボ群 1,067 例)であり,接種後 28 日目以降の有効率は 52.9%(95% CI 47.1~58.1,症例数:ワクチン群 433 例 対 プラセボ群 883 例)であった.米国における有効率は,主に参考株(B.1.D614G)と B.1.1.7 変異株(アルファ株)に対するものであり,69.7%(95% CI 60.7~76.9)であった.その他の地域での,P.1 変異株(ガンマ株),C.37 変異株(ラムダ株),B.1.621 変異株(ミュー株)に対する有効率は低かった.重症・重篤 Covid-19(B.1.617.2 変異株 [デルタ株] による重症・重篤例はわずか 4 例)の予防における有効率は 74.6%(95% CI 64.7~82.1),医学的介入(入院を含む)にいたった Covid-19 の予防における有効率は 75.6%(95% CI 54.3~88.0),Covid-19 関連死の予防における有効率は 82.8%(95% CI 40.5~96.8)であり,防御効果は 6 ヵ月以上持続した.あらゆる重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染の予防における有効率は 41.7%(95% CI 36.3~46.7)であった.Ad26.COV2.S ワクチンは主に軽度~中等度の副反応を伴い,新たな安全性の懸念は確認されなかった.

結 論

Ad26.COV2.S ワクチンの単回接種により,中等症~重症・重篤 Covid-19 の 52.9%が防御された.防御効果は変異株によって異なったものの,重症 Covid-19,医学的介入,死亡の予防については他のエンドポイントよりも高い防御効果が認められ,その効果は 6 ヵ月以上持続した.(ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社ほかから研究助成を受けた.ENSEMBLE 試験:ClinicalTrials.gov 番号 NCT04505722)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 847 - 60. )