March 10, 2022 Vol. 386 No. 10
進行乳癌に対するリボシクリブとレトロゾールの併用による全生存期間
Overall Survival with Ribociclib plus Letrozole in Advanced Breast Cancer
G.N. Hortobagyi and Others
この第 3 相試験の以前の解析では,ホルモン受容体(HR)陽性ヒト上皮増殖因子受容体 2(HER2)陰性進行乳癌を有する閉経後患者に対するリボシクリブ(ribociclib)+レトロゾールによる一次治療により,レトロゾール単独と比較して無増悪生存期間が有意に延長した.全生存期間も延長するかどうかは明らかにされなかった.
主要な副次的エンドポイントとした全生存について,試験実施計画書で規定された最終解析の結果を報告する.患者を,レトロゾールと併用してリボシクリブを投与する群とプラセボを投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.全生存は層別化 log–rank 検定を用いて評価し,死亡が 400 例発生した時点で Kaplan–Meier 法を用いて要約した.無増悪生存と全生存の解析には階層的検定法を用いて,結果の妥当性を確保した.
追跡期間中央値 6.6 年の時点で,死亡はリボシクリブ群 334 例中 181 例(54.2%)とプラセボ群 334 例中 219 例(65.6%)に発生した.リボシクリブ+レトロゾールは,プラセボ+レトロゾールと比較して,全生存に関して有意な利益を示した.全生存期間の中央値は,リボシクリブ+レトロゾール群で 63.9 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 52.4~71.0),プラセボ+レトロゾール群で 51.4 ヵ月(95% CI 47.2~59.7)であった(死亡のハザード比 0.76,95% CI 0.63~0.93,両側 P=0.008).新たな安全性シグナルは認められなかった.
HR 陽性 HER2 陰性進行乳癌患者において,リボシクリブ+レトロゾールによる一次治療は,プラセボ+レトロゾールと比較して全生存に有意な利益を示した.リボシクリブを用いた場合の全生存期間の中央値は,プラセボを用いた場合よりも 12 ヵ月以上長かった.(ノバルティス社から研究助成を受けた.MONALEESA-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01958021)