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October 6, 2022 Vol. 387 No. 14

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血管外植込み型除細動器の有効性と安全性
Efficacy and Safety of an Extravascular Implantable Cardioverter–Defibrillator

P. Friedman and Others

背景

血管外植込み型除細動器(ICD)は,経静脈 ICD と同様に,ポーズ防止ペーシング,抗頻拍ペーシング,除細動エネルギーを可能にするためのリード 1 本を胸骨下に植え込む.血管外 ICD の安全性と有効性はまだ明らかにされていない.

方 法

ICD 適応の推奨度がクラス I または IIa の患者を対象として,全例に血管外 ICD システムを植え込む前向き単群非無作為化市販前国際共同臨床試験を行った.主要有効性エンドポイントは,植込みの時点での除細動成功とした.除細動が成功した患者の割合の片側 97.5%信頼区間 [CI] の下限が 88%を上回れば有効性目標達成とした.主要安全性エンドポイントは,6 ヵ月の時点で,システムに関連または手技に関連した重大な合併症がないこととした.そのような合併症がない患者の割合の片側 97.5% CI の下限が 79%を上回れば安全性目標達成とした.

結 果

356 例が登録され,316 例に植込みが試みられた.心室不整脈が誘発され,除細動試験プロトコールを完了した 302 例のうち,除細動が成功した患者の割合は 98.7%(片側 97.5% CI 下限 96.6%,目標 88%との比較で P<0.001)であり,316 例中 299 例(94.6%)が,ICD システムを植え込んだ状態で退院した.6 ヵ月の時点で,システムに関連または手技に関連した重大な合併症のない患者の割合の Kaplan–Meier 推定値は,92.6%(片側 97.5% CI 下限 89.0%,目標 79%との比較で P<0.001)であった.手技に伴う重大な合併症は報告されなかった.6 ヵ月の時点で,25 件の重大な合併症が 316 例中 23 例(7.3%)に発生していた.一般化推定方程式を用いて評価した抗頻拍ペーシングの成功率は,50.8%(95% CI 23.3~77.8)であった.29 例が,81 件の不整脈エピソードに対して 118 回の不適切なショックを受けた.平均 10.6 ヵ月の追跡期間中に,8 つのシステムが血管外 ICD を交換することなく摘出された.

結 論

今回の前向き国際共同試験で,血管外 ICD は安全に植え込むことができ,植込み時に誘発された心室不整脈を検出し停止させることを認めた.(メドトロニック社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04060680)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1292 - 302. )