The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 4, 2022 Vol. 387 No. 5

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

2 型糖尿病の若年者の治療におけるデュラグルチドの週 1 回投与
Once-Weekly Dulaglutide for the Treatment of Youths with Type 2 Diabetes

S.A. Arslanian and Others

背景

若年者で,2 型糖尿病の発生率が上昇している.グルカゴン様ペプチド 1(GLP-1)受容体作動薬デュラグルチドの週 1 回投与は,2 型糖尿病の若年者の血糖コントロールに有効である可能性がある.

方 法

二重盲検プラセボ対照 26 週間試験で,生活習慣の改善のみ,メトホルミンのみ,メトホルミンと基礎インスリンの併用,基礎インスリンのみのいずれかの治療を受けている参加者(10 歳~18 歳未満,体格指数 [BMI] 85 パーセンタイル超)を,プラセボ群,デュラグルチド 0.75 mg 群,デュラグルチド 1.5 mg 群に 1:1:1 の割合で無作為に割り付け,週 1 回皮下注射した.その後,参加者を 26 週間の非盲検延長試験に組み入れ,プラセボの投与を受けていた参加者にはデュラグルチド 0.75 mg の週 1 回投与を開始した.主要エンドポイントは,26 週の時点での糖化ヘモグロビン値のベースラインからの変化量とした.副次的エンドポイントは,糖化ヘモグロビン値 7.0%未満の参加者の割合,空腹時血糖値と BMI のベースラインからの変化量などとした.安全性も評価した.

結 果

154 例が無作為化された.26 週の時点で,糖化ヘモグロビン値の平均はプラセボ群で上昇し(0.6 パーセントポイント),デュラグルチド群で低下した(0.75 mg 群で -0.6 パーセントポイント,1.5 mg 群で -0.9 パーセントポイント;いずれもプラセボとの比較について P<0.001).26 週の時点で,糖化ヘモグロビン値 7.0%未満の参加者の割合は,デュラグルチド統合群のほうがプラセボ群よりも高かった(51% 対 14%,P<0.001).空腹時血糖値はプラセボ群で上昇し(17.1 mg/dL),デュラグルチド統合群で低下したが(-18.9 mg/dL,P<0.001),BMI の変化量に群間差は認められなかった.消化器系有害事象の発現率は,デュラグルチド群のほうがプラセボ群よりも高かった.デュラグルチドの安全性プロファイルは,成人で報告された安全性プロファイルと一致した.

結 論

メトホルミンまたは基礎インスリンの使用の有無にかかわらず治療を受けている 2 型糖尿病の若年者において,デュラグルチド 0.75 mg または 1.5 mg の週 1 回投与は,26 週間の血糖コントロール改善に関してはプラセボに対する優越性を示したが,BMI に対する影響は認められなかった.(イーライリリー社から研究助成を受けた.AWARD-PEDS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02963766)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 433 - 43. )