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March 21, 2024 Vol. 390 No. 12

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成人発症型免疫不全症における抗インターロイキン-23 自己抗体
Anti–Interleukin-23 Autoantibodies in Adult-Onset Immunodeficiency

A. Cheng and Others

背景

胸腺腫患者では,インターロイキン-12 に対する自己抗体(抗インターロイキン-12)が検出されることが多いが,日和見感染症を発症するのはその一部のみである.インターロイキン-12(サブユニット p40 と p35 から成る)は,インターロイキン-23(サブユニット p40 と p19 から成る)と 1 つのサブユニットが共通している.播種性 Burkholderia gladioli 感染症の 1 例で,抗インターロイキン-23 と抗インターロイキン-12 の両方が検出されたことから,さらなる調査を行った.

方 法

抗インターロイキン-12 を有する患者のコホート(大部分が胸腺腫を有する)で,インターロイキン-23 に対する自己抗体(抗インターロイキン-23)のスクリーニングを行った.抗インターロイキン-23 が日和見感染に役割を果たしている可能性を検証する目的で,胸腺腫患者のもう 1 つのコホートと,胸腺腫も抗インターロイキン-12 も有しない,まれな感染を有する患者のコホートで,検査を行った.

結 果

抗インターロイキン-12 と,重症のマイコバクテリア感染,細菌感染,真菌感染のいずれかを有する 30 例のうち,15 例(50%)はインターロイキン-23 を中和する自己抗体も有していた.その中和作用の強さは,これらの感染の重症度と相関していた.抗インターロイキン-12 の中和活性のみには,感染との関連は認められなかった.91 例の胸腺腫患者から成る検証コホートでは,抗インターロイキン-23 の存在は,74 例(81%)の感染状態と関連していた.全体で,抗インターロイキン-23 中和抗体は,胸腺腫患者 116 例中 30 例(26%)に検出され,播種性感染,脳感染,肺感染のいずれかを有する患者 36 例中 30 例(83%)に検出された.抗インターロイキン-23 は,重症細胞内感染を有する患者 32 例中 6 例(19%)に存在し,Cladophialophora bantianaMycobacterium avium complex によるまれな頭蓋内感染を有する患者 16 例中 2 例(12%)に存在した.

結 論

さまざまなマイコバクテリア感染,細菌感染,真菌感染を有する患者において,抗インターロイキン-23 中和抗体の存在は,重症,持続性の日和見感染と関連していた.(米国国立アレルギー・感染症研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 1105 - 17. )