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April 18, 2024 Vol. 390 No. 15

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腎細胞癌の術後にペムブロリズマブによる補助療法を行った場合の全生存
Overall Survival with Adjuvant Pembrolizumab in Renal-Cell Carcinoma

T.K. Choueiri and Others

背景

腎細胞癌の術後補助療法としてのペムブロリズマブは,KEYNOTE-564 試験での無病生存の有意な改善に基づき承認された.全生存もペムブロリズマブのほうが良好であるかは不明であり,事前に規定した 3 回目の中間解析を行った.

方 法

この第 3 相二重盲検プラセボ対照試験では,術後の再発リスクが高い淡明細胞型腎細胞癌患者を,ペムブロリズマブ(用量 200 mg)の 3 週間隔投与を,最大 17 サイクル(約 1 年間)行うか,再発,忍容できない毒性の発現,同意の撤回まで行う群と,プラセボの投与を行う群に,(1:1 の割合で)無作為に割り付けた.試験担当医師の評価による無病生存(主要エンドポイント)の有意な改善はすでに示されている.全生存は重要な副次的エンドポイントであった.安全性は副次的エンドポイントであった.

結 果

496 例がペムブロリズマブ群,498 例がプラセボ群に割り付けられた.2023 年 9 月 15 日の時点で,追跡期間の中央値は 57.2 ヵ月であった.無病生存への利益は,これまでの解析と一致していた(再発または死亡のハザード比 0.72,95%信頼区間 [CI] 0.59~0.87).ペムブロリズマブ群では,プラセボ群と比較して,全生存の有意な改善が認められた(死亡のハザード比 0.62,95% CI 0.44~0.87,P=0.005).48 ヵ月の時点での全生存率の推定値は,ペムブロリズマブ群 91.2%に対し,プラセボ群 86.0%であった.この利益は,主要なサブグループ全体に認められた.ペムブロリズマブは,あらゆる原因による重篤な有害事象の発現率が高いこと(ペムブロリズマブ群 20.7% 対 プラセボ群 11.5%),ペムブロリズマブまたはプラセボに関連するグレード 3 または 4 の有害事象の発現率が高いこと(18.6% 対 1.2%)と関連した.ペムブロリズマブ療法に起因する死亡は発生しなかった.

結 論

術後の再発リスクが高い淡明細胞型腎細胞癌患者において,ペムブロリズマブによる術後補助療法は,プラセボと比較して,全生存の有意かつ臨床的に意味のある改善と関連した.(メルクシャープ&ドーム社 [メルク社の子会社] から研究助成を受けた.KEYNOTE-564 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03142334)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 1359 - 71. )