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May 16, 2024 Vol. 390 No. 19

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第 Xa 因子阻害薬に関連した急性期脳出血に対するアンデキサネット
Andexanet for Factor Xa Inhibitor–Associated Acute Intracerebral Hemorrhage

S.J. Connolly and Others

背景

第 Xa 因子阻害薬内服中の急性期脳出血患者には,血腫増大のリスクがある.第 Xa 因子阻害薬の作用を中和する薬剤であるアンデキサネット アルファの,血腫量の増大に対する効果は十分に研究されていない.

方 法

急性期脳出血の発生前 15 時間以内に第 Xa 因子阻害薬を内服していた患者を,アンデキサネットの投与を行う群と,通常の治療を行う群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは止血効果とし,ベースラインから 12 時間後の血腫量の増大が 35%以下であること,12 時間後の米国国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)のスコアの増加が 7 ポイント未満(スコア範囲は 0~42 で,数値が高いほど神経障害が大きいことを示す)であること,3~12 時間のあいだに救済療法を受けていないことと定義した.安全性エンドポイントは,血栓イベントと死亡とした.

結 果

263 例がアンデキサネット群,267 例が通常治療群に割り付けられた.有効性は,最初の 452 例を対象とした中間解析で評価し,安全性は,データベースに登録された 530 例全例で解析した.第 Xa 因子阻害薬の適応症は心房細動がもっとも多かった.通常の治療を受けた患者では,85.5%がプロトロンビン複合体濃縮製剤の投与を受けた.止血効果は,アンデキサネット群では 224 例中 150 例(67.0%),通常治療群では 228 例中 121 例(53.1%)で得られた(補正後の差 13.4 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 4.6~22.2,P=0.003).抗第 Xa 因子活性のベースラインから 1~2 時間における最低値到達までの低下率の中央値は,アンデキサネット群 94.5%,通常治療群 26.9%であった(P<0.001).血栓イベントは,アンデキサネット群では 263 例中 27 例(10.3%),通常治療群では 267 例中 15 例(5.6%)に発生し(差 4.6 パーセントポイント,95% CI 0.1~9.2,P=0.048),脳梗塞はそれぞれ 17 例(6.5%)と 4 例(1.5%)に発生した.修正ランキンスケールスコアと 30 日以内の死亡には,群間で明らかな差はなかった.

結 論

第 Xa 因子阻害薬内服中の脳出血患者において,アンデキサネットは,血腫増大を通常の治療よりも良好に抑制したが,脳梗塞などの血栓イベントと関連した.(アレクシオン・アストラゼネカ・レア・ディジーズ社ほかから研究助成を受けた.ANNEXA-I 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03661528)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 1745 - 55. )