The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 12, 2001
Vol. 344 No. 15

  • 痴呆発症後の生存率
    Survival after the Onset of Dementia

    痴呆により平均余命が短縮することが知られている.しかし生存率の中央値の推定は,疾患が急速に進行し,研究対象になる前に死亡してしまう患者を除外していたため,疾病の影響を過小評価していた可能性がある.この問題は,期間バイアスとして知られている.このバイアスを考慮すると,痴呆の生存率の中央値の推定値は,わずか 3.3 年であった.
    痴呆は,先進国で増加している健康問題である.今回の知見は,この疾患の深刻な性質を強調している.痴呆患者の生存率の中央値は,これまで考えられていたよりもはるかに短く,進行癌でみられる生存率と同程度であった.

  • 多枝冠動脈疾患に対する冠動脈バイパス術とステント留置の比較
    Coronary-Artery Bypass Surgery versus Stenting for Multivessel Coronary Disease

    多枝冠動脈疾患に対する冠動脈バイパス術とステント留置の比較

    冠動脈バイパス術とステント留置による血管形成術は,どちらも多枝冠動脈疾患の治療法として認められている.二種類の血行再建術を比較したこの無作為割付け臨床試験では,1 年目の時点における死亡,脳卒中,心筋梗塞の発生率に有意差を認めなかった.しかし,ステント群では,2 度目の血行再建術が必要となる頻度がより高かった.1 年間の医療費は,ステント群のほうが患者一人当り約$3,000 低かった.
    主要な臨床転帰の発生率は,1 年目の時点でほぼ同等であった.したがって治療法の選択には,侵襲度が高い手技と,侵襲度がより低い手技との取引が関与することになる.すなわちステント留置を初回治療にすると,2 度目の血行再建術が必要になる可能性がより高くなる.一方,冠動脈バイパス術の費用はステント留置よりも高額になる.この二つから治療法を選択するさいには,こうした要因すべてを考慮しなければならない.

  • ヒト・パピローマウィルス感染と頭頸部癌のリスク
    Human Papillomavirus Infection and the Risk of Head and Neck Cancer

    ヒト・パピローマウィルス(HPV),なかでも HPV-16 と HPV-18 が,子宮頸癌の原因であることを示す説得的な知見が存在する.しかし,頭頸部癌における HPV の役割は明らかでない.この研究者らは,頭頸部癌が診断される平均約 9 年前に採取された血清中の抗 HPV 抗体を検索した.血清を提供した患者 292 例における抗 HPV-16 抗体の陽性率は,マッチさせた対照群に比べ 2 倍高かった.
    この症例対照研究の主な長所は,前向きの研究デザインにある.頭頸部癌が診断される何年も前に採取された血清標本を用いて抗 HPV 抗体を測定した.しかし,こうした抗体の存在は,癌が発生するはるか以前に消失した可能性のある,過去の感染を表しているにすぎない.頭頸部癌における HPV-16 の因果的な役割は,子宮頸癌の場合ほど確実なものではない.

  • 抗痙攣薬の催奇形性
    The Teratogenicity of Anticonvulsant Drugs

    妊娠中に抗痙攣薬治療を受けた女性から生まれた新生児は,重度の奇形,小頭症,顔面中央部や指趾の形成不全,発達遅滞のリスクが高い.この研究では,妊娠中に抗痙攣薬を服用した母親から生まれた新生児 316 例,妊娠中に抗痙攣薬を服用しなかったてんかんの母親から生まれた新生児 98 例,てんかんのない母親から生まれた新生児 508 例を対象に,抗痙攣薬への曝露と関連する先天異常の兆候を系統的に検査した.3 群における先天異常の頻度は,それぞれ 22.8%,6.1%,8.5%であった.
    この研究は,抗痙攣薬に関連する先天異常の原因が本当に抗痙攣薬のせいなのか,あるいはむしろ母親のてんかんそのものにあるのかという問題を明らかにするために行われた.その結果は,疾患や,疾患に関連する何らかの要因ではなく,抗痙攣薬が原因であることを示している.

  • 免疫学の進歩:補体
    Advances in Immunology: Complement

    免疫学の進歩:補体

    この論文は,補体系に関する二部構成の総説の後半であり,補体系の異常と関連する疾患を中心に取り上げている.とくに,養子免疫,炎症,組織壊死,免疫複合体が介在する疾患,全身性エリテマトーデスにおける補体の役割に焦点を当てている.

  • プライマリケア:てんかん
    Primary Care: Epilepsy

    プライマリケア:てんかん

    この総説では痙攣の初期評価について概説し,抗痙攣薬の選択と調節の方法を説明している.てんかん患者に多い合併症の管理についても取り上げ,抗痙攣薬の中止に関する判断についても議論している.