The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 21, 2001
Vol. 344 No. 25

  • 不安定冠動脈症候群患者に対する早期侵襲的治療戦略と保存的治療戦略
    Early Invasive versus Conservative Strategies in Patients with Unstable Coronary Syndromes

    不安定冠動脈症候群患者に対する早期侵襲的治療戦略と保存的治療戦略

    ST 部上昇を伴わない不安定狭心症と心筋梗塞の患者に対する最適な治療法について,論争がある.この大規模臨床試験では,患者に対して早期の冠動脈造影を行い,適応がある場合には血行再建術を実施する早期侵襲的治療戦略と,侵襲的手技を据え置いて内科的治療を行う保存的治療戦略を比較した.患者全例が,アスピリン,ヘパリン,チロフィバンの投与を受けた.早期侵襲的治療戦略のほうが,保存的治療戦略よりも優れていた.
    この臨床試験が,不安定冠動脈症候群患者が受ける治療の種類に,影響を与えるのは間違いない.早期侵襲的治療戦略は,保存的治療戦略より明らかに優れており,とりわけ高リスク患者や心トロポニン T が高値の患者では優れていたので,治療法の標準となるべきである.

  • 冠動脈ステント挿入後の虚血イベント予防に対するチロフィバンとアブシキマブ
    Tirofiban versus Abciximab for the Prevention of Ischemic Events after Coronary Stenting

    冠動脈ステント挿入後の虚血イベント予防に対するチロフィバンとアブシキマブ

    血小板糖蛋白 IIb / IIIa 受容体阻害薬は,血小板凝集の共通経路の最終段階を阻害し,冠動脈ステント挿入後の血栓予防のために用いられてきた.この大規模臨床試験では,受容体を標的とするモノクローナル抗体のアブシキマブと,より安価な低分子のチロフィバンという,二種類の薬剤を比較した.チロフィバンの効果は,とりわけ心筋梗塞の予防という点で,アブシキマブよりも劣ることが証明された.
    糖蛋白 IIb / IIIa 受容体阻害薬は,不安定冠動脈疾患の患者や,経皮的冠動脈血行再建を行った患者において,集中的に研究されている.ステント挿入後の虚血イベントを予防するうえで,チロフィバンの効果がアブシキマブよりも劣ることを,本研究は説得的に示している.

  • 急性心筋梗塞に対する血小板糖蛋白 IIb / IIIa 阻害とステント挿入の併用
    Platelet Glycoprotein IIb/IIIa Inhibition with Stenting for Acute Myocardial Infarction

    急性心筋梗塞に対して,ステント挿入を伴う緊急冠動脈血行再建術を実施する頻度が高くなっている.この二重盲検臨床試験では,急性心筋梗塞患者を対象として,冠動脈ステント挿入と,血小板糖蛋白 IIb / IIIa 阻害薬であるアブシキマブとの併用療法の効果を検討した.プラセボと比べて,アブシキマブ治療では,30 日と 6 ヵ月の時点における冠動脈の開通性と臨床転帰が改善するという結果であった.
    急性心筋梗塞に対する治療はますます積極的になっており,今日では,閉塞した梗塞責任動脈をできるだけ早期に開通しそれを維持することが,焦点となっている.冠動脈ステント挿入と,アブシキマブによる抗血小板療法(他の抗血小板薬も含めて)の併用は,本法の実施経験を積んだ施設では,第一選択の治療である.

  • ジャームラインでの E -カドヘリン突然変異の若年無症候性保因者のおける早期胃癌
    Early Gastric Cancer in Young,Asymptomatic Carriers of Germ-Line E-Cadherin Mutations

    ジャームラインでの E -カドヘリン突然変異の若年無症候性保因者のおける早期胃癌

    E -カドヘリン遺伝子の突然変異を伴う家族性びまん性胃癌は,常染色体優性疾患である.変異型遺伝子の保因者における胃癌発症率は 75%である.多数の胃癌家族歴がある二家系由来の無症候性保因者 5 例に対して,内視鏡検査と胃粘膜のランダム生検が陰性であったにもかかわらず,予防的胃切除術を施行した.5 例の手術標本の全例に,胃癌の微小病巣が含まれていた.
    この症例報告は,まれな形態の胃癌に関するものだが,遺伝性悪性腫瘍症候群に対する予測的遺伝スクリーニングの偉力を示している点で,一般性のある関心事である.若年の変異型遺伝子保因者が,内視鏡検査が正常であったにもかかわらず胃切除を受ける決心をしたのは,勇気があるばかりでなく,生命を救うものでもあっただろう.

  • 住宅火災による死亡と負傷
    Deaths and Injuries from House Fires

    住宅火災による死亡と負傷

    この分析は,ダラスの消防局,救急システム,入院記録,監察医局からのリンクさせたデータに基づいている.1991 ~ 97 年に,7,190 件の住宅火災で,致命的な負傷が 91 例,非致命的な負傷が 132 例生じた.負傷の発生率は,黒人と 65 歳以上の高齢者でより高かった.火災関連の負傷の発生率は,所得中央値の低い人口調査標準地域で顕著に高かった(相対危険度,8.1).負傷は,煙探知機がない家屋でも,より頻度が高かった.
    今回の研究は,大都市における異なる情報源からの既存の監視データを用いて,住宅火災に関連する負傷の危険因子を検討することが可能になった次第を示している.予防の努力は,もっともリスクの高い集団を対象とすべきである.

  • 医学の進歩:RS ウイルスとパラインフルエンザウイルス
    Medical Progress: Respiratory Syncytial Virus and Parainfluenza Virus

    医学の進歩:RS ウイルスとパラインフルエンザウイルス

    これらの RNA ウイルスは,小児の気道感染の重要な原因として知られている.成人の呼吸器疾患に対する関与や,免疫不全患者の感染における役割も,今日次第に認識されてきている.これらのウイルスに感染しても持続的な免疫が生じないため,感染症は繰り返して起り,効果的なワクチンの開発も依然として課題である.