The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 26, 2001
Vol. 345 No. 4

  • 出産歴,経口避妊薬と,BRCA 突然変異の保因者と非保因者における卵巣癌リスク
    Parity, Oral Contraceptives, and the Risk of Ovarian Cancer in Carriers and Noncarriers of a BRCA Mutation

    この研究では,卵巣癌の女性と,マッチさせた対照群で,出産歴と経口避妊薬の使用歴を比較した.BRCA1 または BRCA2 の突然変異は,卵巣癌の女性 840 例中の 29.0%に認められたが,対照群 751 例では 1.7%にすぎなかった.出産回数の増加は,突然変異の有無にかかわらず,卵巣癌に対して予防的であった.しかし,経口避妊薬の使用は,突然変異の非保因者に限って予防的であった.
    出産回数の増加と経口避妊薬の使用は,卵巣癌に対して予防的な効果がある.この研究の驚くべき点は,BRCA1 BRCA2 卵巣癌感受性遺伝子の突然変異の保因者では,経口避妊薬の使用が予防的ではなかったことである.今回の結果は,保因者と非保因者では,異なる経路で卵巣癌が発生することを示唆するものであり,保因者における卵巣癌の化学予防のために,経口避妊薬を使用することに異議を唱えるものである.

  • 化学療法耐性の有毛細胞白血病に対する抗 CD22 遺伝子組換え免疫毒素 BL22 の有効性
    Anti-CD22 Recombinant Immunotoxin BL22 for Chemotherapy-Resistant Hairy-Cell Leukemia

    化学療法耐性の有毛細胞白血病に対する抗 CD22 遺伝子組換え免疫毒素 BL22 の有効性

    有毛細胞白血病では,B リンパ球のみで発現する接着蛋白質である CD22 が,悪性細胞において多量に発現している.抗 CD22 抗体の抗原結合部とシュードモナス属外毒素の一部からなる遺伝子組換え分子(BL22)を用いて,化学療法耐性の有毛細胞白血病を治療した.BL22 を投与した患者 16 例のうち,11 例が完全寛解した.
    BL22 のような免疫毒素は,特定の新生物を選択的に標的とする能力をもつ,新規の薬剤である.免疫毒素は,悪性細胞に独自の標的分子や固有の標的分子が発現している場合,非常に特異的に作用しうる.今回の研究では,致死的な細菌性毒素が,CD22 との相互作用を通じて,悪性細胞内に侵入した.

  • T リンパ球の活性化予防による乾癬の治療
    Treating Psoriasis by Preventing T-Lymphocyte Activation

    T リンパ球の活性化予防による乾癬の治療

    乾癬を含む多数の自己免疫疾患に,T リンパ球の活性化が関与している.この研究では,慢性乾癬斑の患者 229 例を対象として,記憶エフェクター T リンパ球に結合してその活性化を抑制する遺伝子組換え蛋白質であるアレファセプトの使用を評価した.12 週の治療期間とその後 12 週の追跡調査期間中において,アレファセプト群の患者は,プラセボ群の患者よりも,改善の程度が有意に大きかった.
    乾癬治療のさいに,記憶エフェクター T リンパ球を選択的に標的とすることで得られた効果は,このリンパ球が,本疾患における作用細胞として,重要な役割を果していることを示している.アレファセプトは,難治性乾癬の患者に対する追加的な治療選択となる可能性がある.

  • 軍事研究細菌学者における鼻疽
    Glanders in a Military Research Microbiologist

    軍事研究細菌学者における鼻疽

    2 ヵ月間の発熱,有痛性のリンパ節腫脹,体重減少に続いて,一人の細菌学者が敗血症と急性呼吸不全で入院し,多発性の肝および脾膿瘍が発見された.細菌培養ではグラム陰性桿菌が検出され,最終的には,鼻疽の病原菌であり患者が実験室で取り扱っていた Burkholderia mallei が同定された.
    鼻疽は,ヒトに伝播することのあるウマの疾患として,かつてはよく知られていた.この疾患は,米国では消滅した.しかし,B. mallei は感染力が強く,バイオテロリズムの病原体として用いられる可能性が,今日恐れられている.この症例報告は,疾患の診断や,半世紀のあいだ臨床医が目にしたことのない微生物の,正確な同定にまつわる困難を示している.

  • 臨床診療:不顕性甲状腺機能低下症
    Clinical Practice: Subclinical Hypothyroidism

    臨床診療:不顕性甲状腺機能低下症

    59 歳女性が,定期検診で,血清甲状腺刺激ホルモン濃度が 7mU / L であった.患者の症状は,軽度の倦怠感と減量困難のみである.総コレステロール濃度は 220mg / dL,LDL コレステロール濃度は 140mg / dL であり,抗サイロペルオキシダーゼ抗体検査が陽性である.患者はサイロキシンによる治療を受けるべきだろうか?この論文は,不顕性甲状腺機能低下症の意義と,スクリーニングおよび治療に対する勧告をまとめている.
    無症状の抗体検査陽性者,妊娠女性,不妊を伴う卵巣機能不全の女性,および軽度の甲状腺機能低下症,高コレステロール血症,甲状腺腫の存在に一致する症状がある患者に対する治療は,理にかなっている.

  • 薬物療法:子宮内膜症の治療
    Drug Therapy: Treatment of Endometriosis

    薬物療法:子宮内膜症の治療

    子宮内膜症の女性は,骨盤痛や不妊を伴うことがもっとも多い.この総説では,補助的生殖技術の利用を含めて,本症に対する既存の薬剤や外科治療の効果を要約している.