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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 27, 2005
Vol. 353 No. 17

ORIGINAL ARTICLE

  • 乳癌検診におけるデジタルマンモグラフィとフィルムマンモグラフィの比較
    Digital vs. Film Mammography for Breast-Cancer Screening

    無症状の女性 42,760 例を対象としたこの研究において,デジタルマンモグラフィとフィルムマンモグラフィは,乳癌検診の方法としての総体的な診断精度は同等であった.しかし,デジタルマンモグラフィは,50 歳未満の女性,X 線撮影で乳腺密度が高い女性,閉経前あるいは閉経期の女性では,より優れた方法であった.

  • 乳癌死亡率に対する検診と補助療法の影響
    Effect of Screening and Adjuvant Therapy on Mortality from Breast Cancer

    1975~2000 年における乳癌死亡率の低下の原因を検討するために,7 つの統計学的モデルが独立して作成された.すべてのモデルで,マンモグラフィ検診と補助療法の両方が,死亡率の低下に寄与したという結果が得られた.

  • 慢性リンパ性白血病の予後および進行に関連する microRNA シグニチャー
    A MicroRNA Signature Associated with Prognosis and Progression in Chronic Lymphocytic Leukemia

    慢性リンパ性白血病患者において,13 個の遺伝子から成る microRNA シグニチャーは,疾患の進行を予測する因子と関連していた.

  • 小児期の成長と成人期における冠動脈イベント
    Childhood Growth and Coronary Events in Adulthood

    低出生体重は,その後の冠動脈疾患発症の危険因子である.フィンランドで 1934~44 年に生まれた人のコホート集団を対象として,小児期の成長が冠動脈リスクに与える影響を評価した.成人期に冠動脈イベントを発症した小児は,平均して出生時は小さく,2~11 歳に急速に成長していた.この成長パターンは,空腹時インスリン濃度の上昇とも関連していた.

SPECIAL ARTICLE

  • 医師の「頭脳流出」の追跡
    Tracking the Physician Brain Drain

    この研究により,米国,英国,カナダ,オーストラリアで働く医師の約 1/4 が,他国で教育を受けた移住者であることが明らかにされた.これらの医師の多くは低所得国の出身であり,これが原因で資源の乏しい国で医師が不足する可能性がある.

DRUG THERAPY

  • うつ病の内科的管理
    The Medical Management of Depression

    大うつ病は,内科外来患者の 5~13%が罹患しているが,多くの場合診断されず,治療は行われていない.この論文では,抗うつ薬や補助薬を用いた治療と,将来発現しうる症状の予防とについて論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 下部消化管出血を呈する男性
    A Man with Lower Gastrointestinal Bleeding

    43 歳の男性が急性の直腸出血のため入院した.男性は,小児期より断続的に直腸出血がみられ,結腸,胃,十二指腸の多数のポリープを切断している.鼻出血もしばしばみられ,鼻と肺に血管奇形が発見されていた.男性の母親にも同様の既往があった.診断検査が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 認知症と神経原線維変化
    Dementia and Neurofibrillary Tangles

    前頭側頭型認知症のマウスモデルで得られた知見から,神経原線維変化は認知症の原因ではないことが示唆される.