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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 22, 2008
Vol. 358 No. 21

ORIGINAL ARTICLE

  • ST 上昇型心筋梗塞に対する facilitated PCI
    Facilitated PCI in ST-Elevation Myocardial Infarction

    経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の即時施行は,ST 上昇型急性心筋梗塞の第一選択の治療法である.この研究では,レテプラーゼ+アブシキシマブ,またはアブシキシマブ単剤による前治療を行う facilitated PCI は,臨床転帰を改善することなく出血を増加させたことから,急性心筋梗塞の治療に facilitated PCI を用いることに疑問を投げかけている.

  • 急性心筋梗塞に対する PCI 施行時におけるビバリルジン
    Bivalirudin during PCI for Acute Myocardial Infarction

    ビバリルジンは,直接トロンビン阻害薬である.急性心筋梗塞に対して PCI を受ける患者にビバリルジンを使用した場合,ヘパリンと糖蛋白 IIb/IIIa 阻害薬を併用した場合に比べて,出血が減少し 30 日死亡率が低下した.しかしながらビバリルジンは,24 時間以内の急性ステント血栓症の発生率がより高くなることと関連していた.

BRIEF REPORT

  • レーバー先天性黒内障に対する遺伝子治療
    Gene Therapy for Leber's Congenital Amaurosis

    レーバー先天性黒内障の病型の 1 つは,視覚サイクルに不可欠とされる RPE65 の変異により引き起こされる.進行性網膜変性症の若年男性を対象に,RPE65 を含むウイルスベクターの網膜下注入を評価した初期の臨床試験 2 件では,このアプローチは短期間であればおおむね安全であることが示されたが,一方のグループは有害事象として黄斑円孔 1 例を報告している.著者らは,視機能の評価項目の一部に改善を認めた.

SPECIAL ARTICLE

  • 大規模な社会的ネットワークにおける喫煙の集団力学
    The Collective Dynamics of Smoking in a Large Social Network

    米国における喫煙率は,この 30 年で大幅に減少している.この論文では,喫煙行動が人から人へと伝播する程度と,広く結び付いた人々のグループが一緒に禁煙する程度について検討している.喫煙行動は遠近を問わず社会的つながりを通して伝播し,相互に結び付いた人々のグループは一緒に禁煙する.そして喫煙者は,次第に社会の周辺部に押しやられる.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 舌下免疫療法
    Sublingual Immunotherapy

    28 歳の男性が,主に草の花粉が原因のアレルギー性鼻炎のため受診した.来院前,鼻炎は抗ヒスタミン薬や鼻腔用スプレーには反応しなかった.舌下免疫療法の試行が推奨されている.舌下免疫療法は,注射による免疫療法よりも簡便である.しかし,ヨーロッパ諸国の一部では,草の花粉によるアレルギーの特効薬として臨床での使用が承認されているものは 1 種類のみである.米国食品医薬品局(FDA)は,舌下免疫療法に用いる薬剤は承認していない.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 骨痛を呈する女性
    A Woman with Bone Pain

    46 歳の女性が,数ヵ月間にわたる右股関節と脚部の疼痛のため当院で評価を受けた.女性にはセリアック病の既往があるが,それ以外の点では健康であった.画像検査を行ったところ,骨盤と長骨に,骨髄の散在性の異常を伴う多発性の骨病変が認められた.臨床検査では,血清カルシウム値の低下とアルカリホスファターゼ値の上昇が認められた.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • HIV はどのようにして免疫システムを破壊するか
    How HIV Guts the Immune System

    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は,消化管の CD4+ T 細胞のインテグリン受容体と結合する.