- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
November 3, 2011
Vol. 365 No. 18
ORIGINAL ARTICLE
-
嚢胞性線維症治療における嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子増強薬
A CFTR Potentiator in Treatment of Cystic Fibrosis嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)蛋白の機能を低下させる突然変異を有する嚢胞性線維症患者を対象に,CFTR 増強薬アイバカフトールを検討した.アイバカフトールにより FEV1 が有意に改善され,肺機能増悪が減少したことから,特定の嚢胞性線維症患者の治療に有望である.
-
移植片対宿主病を引き起こす T 細胞の誘導細胞死
Inducible Suicide of GVHD-Causing T Cells薬剤により二量体化が誘導されると細胞死を引き起こすことのできる導入遺伝子を,ヒトドナー T 細胞に導入することで,移植片対宿主病をコントロールしながら移植片対腫瘍効果を得ることへの期待が高まった.
-
インヒビター保有血友病患者に対する乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体の予防的投与
AICC Prophylaxis in Hemophilia with Inhibitors第 VIII 因子インヒビターが発生した血友病 A 患者において,第 VIII 因子バイパス製剤乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(AICC)を週 3 回予防的に用いることにより,出血リスクが有意に低下した.
-
Clostridium difficile の感染症と保菌
Clostridium difficile Infection and Colonizationカナダのケベック州,オンタリオ州の入院患者を対象とした前向きコホート研究では,入院中に,患者の 2.8%が Clostridium difficile に感染し,3.0%が無症候性 C. difficile を保菌していた.C. difficile 感染症患者のほとんどは NAP1 株に感染していた.
SPECIAL ARTICLE
-
メディケアヘルスサポート疾病管理パイロットプログラム
Medicare Health Support Disease-Management Pilotメディケアヘルスサポートパイロットプログラムは,心不全,糖尿病,あるいはその両方を有する患者に対する民間企業による 8 つの疾病管理プログラムに関する研究である.これらのプログラムによって,救急受診,入院は減少せず,指標とした 40 項目のうち改善されたのはわずか 14 項目であった.
MEDICAL PROGRESS
-
潰瘍性大腸炎
Ulcerative Colitis潰瘍性大腸炎は,もっとも頻度の高い炎症性腸疾患である.多くは経過が緩やかで,合併症はほとんどなく,結腸切除術により治癒可能である.その病態生理,診断,治療に関するわれわれの現在の理解を概説する.
PERSPECTIVE
-
不可欠な化学療法薬の不足
The Shortage of Essential Chemotherapy Drugs米国では不可欠な抗腫瘍薬の一部が供給不足となり,救命治療の安全性,費用,可用性に懸念が生じている.原因は,製造業者がジェネリック医薬品から大きな収益を得られないことと,腫瘍医は医薬品への上乗せ額で稼ぐという経済事情にある.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
-
腎細胞癌の転移
Metastasis of Renal-Cell Carcinoma89 歳の男性が,腎細胞癌による右腎摘出の 4 年後に,右手の第四指の拍動性腫瘤の評価のため紹介されてきた.腫瘤は,指に軽度の外傷を受けてから,この 3 ヵ月間で大きくなった.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
-
妊娠期のうつ病
Depression during Pregnancy妊娠期のうつ病の女性の評価と治療(心理療法,抗うつ薬療法)について述べる.母体と子どもへの利益とリスクの可能性に関するデータを検討するが,全体的には絶対リスクは小さいことを示している.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
-
発熱の鳥瞰図
Bird's-Eye View of Feverこの双方向の特集記事では,78 歳の男性の症例を紹介する.4 ヵ月にわたる疲労の悪化,全身の筋力低下,食欲不振がみられた.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を確認してください.
PERSPECTIVE VIDEO ROUNDTABLE
-
個人に対する義務付けの合憲性
Constitutionality of the Individual Mandate医療費負担適正化法が可決されて以来,連邦政府による個人の医療保険加入の義務化は違憲であると主張して,多くの訴訟が起こされた.このビデオ討論会では Wendy Mariner が司会を務め,法学者の Jack Balkin,Ilya Somin とともに,関連する憲法問題に焦点を当てて討議を行う.