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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
October 8, 2015
Vol. 373 No. 15
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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心臓手術時の遠隔虚血プレコンディショニング
Remote Ischemic Preconditioning during Heart Surgeryプロポフォール麻酔下で人工心肺を用いる待期的心臓手術が予定された患者を対象とした多施設共同無作為化対照試験において,上肢に遠隔虚血プレコンディショニングを行った場合と偽処置を行った場合の比較が行われた.意義のある利益は認められなかった.
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CABG 前の遠隔虚血プレコンディショニング
Remote Ischemic Preconditioning before CABG多施設共同試験において,オンポンプ CABG(弁手術の同時施行を問わず)を受ける予定の高リスク成人が,上腕の一時的な虚血・再灌流によるプレコンディショニングを行う群と,偽処置を行う群に割り付けられた.遠隔虚血プレコンディショニングにより臨床転帰は改善しなかった.
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多発性硬化症に対するダクリズマブ HYP とインターフェロンβ-1a との比較
Daclizumab HYP vs. Interferon Beta-1a in MS再発寛解型多発性硬化症患者を対象とした無作為化試験において,高収率合成(HYP)ダクリズマブ(CD25 に結合してインターロイキン 2 シグナル伝達を調節するモノクローナル抗体)は,インターフェロンβ-1a よりも高い有効性を示した.感染症と発疹の発現頻度はダクリズマブ群のほうが高かった.
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短報:妊娠と原発性アルドステロン症
Brief Report: Pregnancy and Primary Aldosteronism妊娠女性 2 例のアルドステロン産生腺腫で,βカテニン遺伝子の体細胞変異体が発見された.これらの腺腫はきわめて高濃度の 2 つのホルモン受容体を発現しており,血中濃度の高いホルモンが関与していることが推測される.
REVIEW ARTICLE
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侵襲性カンジダ症
Invasive Candidiasis抗真菌療法の進歩にもかかわらず,侵襲性カンジダ症に関連する死亡率は 40%と依然として高い.この総説では,早期治療や,トリアゾール耐性,エキノカンジン耐性の出現など,最近の傾向と最新の治療戦略についてまとめている.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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胸腺腫,下痢,体重減少を呈する男性
A Man with Thymoma, Diarrhea, and Weight Loss29 歳の男性が,下痢が 1 ヵ月続いたため受診した.男性は 5 年前に胸腺腫の診断を受けていた.下痢は,ある治験薬の投与期間中に発現し,中止したにもかかわらず悪化した.診断手技が行われた.
PERSPECTIVE
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持続可能な開発目標への移行
Shifting to Sustainable Development Goalsミレニアム開発目標(MDGs)は,世界的な共同行動においてめざましい成功を収めた.残念ながら,新たに立てられた持続可能な開発目標(SDGs)は広範囲に及び,野心的な目標や曖昧な目標が多く,健康が MDGs ほど中心に据えられていない.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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胃回虫症
Gastric Ascaris Infectionそれまで健康であった 30 歳の女性が,10 日前に出現した右上腹部痛の悪化により救急部を受診した.診察にて呼吸音の減弱と,腹部に圧痛が認められた.
QUICK TAKE
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遠隔虚血プレコンディショニングと臨床転帰
Remote Ischemic Preconditioning and Clinical Outcomes心臓手術を受ける患者に遠隔虚血プレコンディショニングを行うことで,虚血・再灌流障害のバイオマーカーが低下することが報告されているが,臨床転帰は実際に改善するのであろうか? 最新の研究知見が,短い動画にまとめられている.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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不眠障害
Insomnia Disorder不眠症の評価には,内科疾患・精神疾患の完全な病歴と,睡眠に関連する行動と症状の評価を含めるべきである.持続性不眠症の治療法には,認知行動療法(第一選択療法とされている)や睡眠薬療法などがある.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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実施件数に重点をおく
Focusing on VolumeDavid Urbach が,特定の外科手技を,その実施件数がもっとも多い医師と病院に集中させる計画について論じている.