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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
March 2, 2017
Vol. 376 No. 9
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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妊娠中の潜在性甲状腺機能低下症または低サイロキシン血症
Subclinical Hypothyroidism or Hypothyroxinemia in Pregnancy潜在性甲状腺機能低下症または低サイロキシン血症の妊娠女性を対象とする 2 件のプラセボ対照試験で,妊娠 8~20 週にレボチロキシン投与を開始しても,子の 5 歳までの認知転帰は有意には改善しなかった.
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アトピー性皮膚炎に対する抗インターロイキン-31 受容体 A 抗体
Anti–Interleukin-31 Receptor A Antibody for Atopic Dermatitis第 2 相プラセボ対照試験において,抗インターロイキン-31 受容体 A 抗体ネモリズマブは,中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者の瘙痒を改善した.アトピー性皮膚炎の病態生理におけるインターロイキン-31 の役割を裏付ける知見である.
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急性リンパ性白血病に対するブリナツモマブ
Blinatumomab for Acute Lymphoblastic Leukemia再発・難治性の成人 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病患者において,抗 CD19・抗 CD3 の二重特異性モノクローナル抗体であるブリナツモマブを用いた治療により,化学療法と比較して全生存期間が延長し,寛解率が上昇した.
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短報:鎌状赤血球貧血症に対する遺伝子治療
Brief Report: Gene Therapy for Sickle Cell Anemiaヒドロキシウレア抵抗性の鎌状赤血球貧血症の男児が,抗鎌状化βグロビン遺伝子多様体をレンチウイルスで導入した自家造血幹細胞を用いた骨髄移植を受けた.その後 15 ヵ月間,疼痛発作は起こらなかった.
CLINICAL TRIALS SERIES
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インフォームドコンセント
Informed Consent研究者がインフォームドコンセントを得ようとする場合,これまでは参加者に同意書への署名を求めてきたが,この方法は時代遅れになりつつある.複数の記事で構成されるこの総説では,動画などの電子媒体によるインフォームドコンセントや,アプリベース,インターネットベースの試験でのインフォームドコンセントについて,動画で例を示しながら検討している.
SPECIAL REPORT
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患者支援団体にとっての利益相反
Conflicts of Interest for Patient-Advocacy Organizations104 の大規模な患者支援団体を対象とした調査で,83%が製薬会社,医療機器会社,バイオテクノロジー企業から資金援助を受けており,企業の幹部がしばしば運営委員を務めていることがわかった.著者らは,企業の関与について透明性を高めるよう勧告している.
CORRESPONDENCE
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米国にいる医師にビザを与えないことについて
Denying Visas to Doctors in the United States米国で勤務する医師の約 1/4 は海外の医学部出身者(IMG)である.多くの IMG が就労ビザによって米国で勤務することができるが,その発行を制限するという米国の指導者らの提案に対して,IMG の医師 2 人が不安を明かしている.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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リソソーム酸リパーゼ欠損症におけるコレステリルエステル結晶
Cholesteryl Ester Crystals in Lysosomal Acid Lipase Deficiency18 歳の女性にアミノトランスフェラーゼ上昇を認めるが,感染症や自己免疫疾患の検査結果は陰性であった.肝生検にて,リソソーム酸リパーゼ欠損症に一致する,コレステリルエステルの複屈折結晶が認められた.
NEJM QUICK TAKE
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妊娠中の潜在性甲状腺疾患
Treating Subclinical Thyroid Disease in Pregnancy妊娠中の潜在性甲状腺機能低下症または低サイロキシン血症は,子の認知機能障害に関連する可能性がある.スクリーニングと治療により転帰は改善するのか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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認識を求めるたたかい
A Struggle for RecognitionKeith Wailoo が,鎌状赤血球症治療の進歩を遅らせ,困難にしてきた医学的・社会的背景について論じている.