自己抗体を有し原因不明の流産を繰り返す女性に対するプレドニゾンおよびアスピリン
PREDNISONE AND ASPIRIN IN WOMEN WITH AUTOANTIBODIES AND UNEXPLAINED RECURRENT FETAL LOSS
C.A. LASKIN AND OTHERS
反復流産は,抗リン脂質抗体を有する女性で起こることがよく記述されている.そのような女性はまた,全身性エリテマトーデス患者に通常みられる他の自己抗体を有することがある.それらの患者をプレドニゾンとアスピリンで治療すれば,流産のリスクが低下する可能性がある.
解明できない 2 回以上の流産経験がある非妊娠女性 773 人について,抗核,抗 DNA,抗リンパ球,抗カルジオリピン抗体の有無と,ループスアンチコアグラントの有無に関してスクリーニングした.自己抗体 1 種類以上を有する 385 人のうち,後に妊娠した 202 人を,妊娠期間中,プレドニゾン(0.5~0.8 mg/kg 体重/日)とアスピリン(100 mg/日)を投与する群,またはプラセボを投与する群に同数無作為に割り付けた.女性を,年齢(18~34 歳,または 35~39 歳)と,前回流産した妊娠週(12 週以上,または 12 週未満)で分類した.主要転帰は妊娠の成功とした.
治療群では 66 人(65%),プラセボ群では 57 人(56%,p=0.19)が,生児を出産した.治療群ではプラセボ群より多くの未熟児が出生した(62% 対 12%,p<0.001).母親における治療の主な副作用は,高血圧症(治療群,13%;プラセボ群,5%;p=0.05),糖尿病(15% 対 5%,p=0.02)であった.
自己抗体を有し,流産を繰り返す女性をプレドニゾンとアスピリンで治療することは,生児出産の促進に有効ではなく,未熟児のリスクを増加させる.