The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

December 4, 1997 Vol. 337 No. 23

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

閉経後女性における骨塩量,血清コレステロール濃度,および子宮内膜に及ぼすラロキシフェンの効果
EFFECTS OF RALOXIFENE ON BONE MINERAL DENSITY, SERUM CHOLESTEROL CONCENTRATIONS, AND UTERINE ENDOMETRIUM IN POSTMENOPAUSAL WOMEN

P.D. DELMAS AND OTHERS

背景

長期エストロゲン療法は,閉経後女性の骨粗鬆症による骨折および心血管疾患のリスクを減少しうる.しかし現在,これらの有益な効果は,乳房および子宮内膜の組織の望ましからぬ刺激を伴う.

方 法

われわれは,非ステロイド性ベンゾチオフェンであるラロキシフェンが,閉経後女性 601 人の骨塩量,血清脂質濃度,および子宮内膜の厚さに及ぼす効果を調べた.女性を無作為割付けしてラロキシフェン 30,60,または 150 mg,もしくはプラセボを 24 ヵ月間毎日投与した.

結 果

ラロキシフェンの各用量を投与した女性は,腰椎,股関節部,および全身の骨塩量がベースライン値より有意に増加したが,プラセボを投与した女性では骨塩量が減少した.例えば,24 ヵ月では,ラロキシフェン 60 mg/日を投与した女性とプラセボを投与した女性の骨塩量の変化の差の平均値(±SE)は,腰椎で 2.4±0.4%,股関節で 2.4±0.4%,そして全身で 2.0±0.4%であった(すべての比較について p<0.001).総コレステロールと低比重リポ蛋白コレステロールの血清濃度は,すべてのラロキシフェン群で減少したが,高比重リポ蛋白コレステロールおよびトリグリセリドの血清濃度は変化しなかった.子宮内膜の厚さはラロキシフェンとプラセボ群で試験期間のすべての時点で同程度であった.顔面紅潮または性器出血を報告したラロキシフェン投与女性の比率は,プラセボ投与女性と差がなかった.

結 論

ラロキシフェンの毎日投与は,骨塩量を増加させ,総コレステロールおよび低比重リポ蛋白コレステロール血清濃度を低下させ,子宮内膜を刺激しない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 1641 - 7. )