The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 7, 1997 Vol. 337 No. 6

冠血管形成術後の再狭窄の予防におけるプロブコールと複合ビタミン
PROBUCOL AND MULTIVITAMINS IN THE PREVENTION OF RESTENOSIS AFTER CORONARY ANGIOPLASTY

J.-C. TARDIF AND OTHERS

背景

 冠血管形成術部位で産生される酸化代謝物は,再狭窄を起すような連鎖反応を引き起しうる.抗酸化剤は,酸化的ストレスに対抗し,新内膜の形成および血管再構築を修飾する可能性がある.実験データおよび小規模臨床試験から,抗酸化剤が血管形成術後の再狭窄を予防する可能性があることが示唆された.二重盲検無作為臨床試験において,われわれは,抗酸化的性質を有する薬剤が血管形成術後の再狭窄の発生率および重症度を低下させるか否かを調べた.

方 法

 血管形成術の 1 ヵ月前に,患者 317 人を無作為割付けして,4 治療のうち一つを行った: プラセボ,プロブコール  ( 500mg ),複合ビタミン ( b -カロチン 30,000IU,ビタミン C 500mg,およびビタミン E 700IU ),またはプロブコールと複合ビタミンの併用-これらをすべて 1 日 2 回投与した.血管形成術の前 4 週間および術後 6 ヵ月間患者を治療した.血管形成術の 12 時間前に,患者の治療割付けに従って,さらにプロブコール 1,000mg,ビタミン E 2,000IU,またはプロブコールとビタミン E の併用,もしくはプラセボを患者に投与した.ベースラインおよび追跡調査時の血管造影は,割付けを知らない試験者が定量的アプローチを用いて解釈した.

結 果

 血管形成術後 6 ヵ月での血管内径の減少の平均値 (± SD ) は,プロブコール群で 0.12 ± 0.41mm,併用治療群で 0.22 ± 0.46mm,複合ビタミン群で 0.33 ± 0.51mm,およびプラセボ群で 0.38 ± 0.50mm (プロブコール投与群 対 非投与群について  p = 0.006,ビタミン投与群 対 非投与群では p = 0.70 ) であった.セグメント当りの再狭窄率は,プロブコール群で 20.7%,併用治療群で 28.9%,複合ビタミン群で 40.3%,およびプラセボ群で 38.9% (プロブコール群 対 非プロブコール群について p = 0.003 ).血管形成術の再手術の実施率はそれぞれ,11.2%,16.2%,24.4%,および 26.6%であった (プロブコール群 対 非プロブコール群について p = 0.009 ).

結 論

 抗酸化剤プロブコールはバルーン冠血管形成術後の再狭窄率の低下に有効である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 365 - 72. )