思春期前のメキシコ系アメリカ人少女のビタミン D 受容体遺伝子多形性と骨密度
VITAMIN D–RECEPTOR GENE POLYMORPHISMS AND BONE DENSITY IN PREPUBERTAL AMERICAN GIRLS OF MEXICAN DESCENT
J. SAINZ AND OTHERS
骨量は強い遺伝子制御下にあり,最近の成人での研究により,ビタミン D 受容体遺伝子の対立形質の差が,骨量の遺伝的多様性を説明できることが示唆された.われわれは,子供における,ビタミン D 受容体遺伝子型と,骨格発達および体型,体容積,ならびに骨密度の変化との関係を調べた.
思春期前の健常なメキシコ系アメリカ人少女 100 人について,ポリメラーゼ連鎖反応および 3 種類の制限酵素(ApaI,BsmI および TaqI)を用いて,ビタミン D 受容体遺伝子の三つの対立形質変種を確認した.次に,異なるビタミン D 受容体遺伝子型(AA,Aa,aa,BB,Bb,bb,TT,Tt,および tt)と,大腿骨幹の断面積,皮質面積,および皮質骨密度ならびに腰椎骨の断面積および密度との関係を調べた.
ビタミン D 受容体遺伝子型は大腿骨および腰椎骨密度と関連した.aa および bb 遺伝子型を有する少女は,AA および BB 遺伝子型の少女より大腿骨密度が 2~3%高く(それぞれ,p=0.008 および p = 0.04),腰椎骨密度が 8~10%高かった(p=0.01 および p=0.03).腰椎の断面積または大腿骨の断面積もしくは皮質面積と,ビタミン D 受容体遺伝子型とのあいだには関連性を認めなかった.暦年齢,骨年齢,身長,体重,体表面積,および body-mass index は,ビタミン D 受容体遺伝子型が異なる少女間で有意差を示さなかった.
ビタミン D 受容体遺伝子対立形質は,思春期前のメキシコ系アメリカ人少女の大腿骨および腰椎骨密度を予測する.