September 25, 1997 Vol. 337 No. 13
幼少期および親の肥満からの成人期若年層肥満の予測
PREDICTING OBESITY IN YOUNG ADULTHOOD FROM CHILDHOOD AND PARENTAL OBESITY
R.C. WHITAKER, J.A. WRIGHT, M.S. PEPE, K.D. SEIDEL, AND W.H. DIETZ
幼少期の肥満は,成人期での肥満のリスクを増加させるが,親の肥満が子が肥満成人になる可能性にどのように影響を及ぼすかはわかっていない.われわれは,成人期若年層における肥満のリスクを,幼少期の肥満および片親または両親の肥満と関連させて調査した.
1965~71 年に出生した,ワシントン州の健康維持機構(HMO)の被験者 854 人の記録から,身長および体重測定値を抽出した.被験者の両親の診療録も再検討した.幼少期の肥満は,体格指数(BMI)が年齢および性別に関して集団の 85 パーセンタイル以上と定義し,成人期の肥満は,平均 BMI が男性では 27.8 以上,女性では 27.3 以上と定義した.
成人期若年層(21~29 歳と定義)では,被験者 135 人(16%)が肥満であった.幼少期から肥満であった人では,成人期肥満になる可能性は,両親が肥満でない 1~2 歳児の 8%から,少なくとも片親が肥満である 10~14 歳児の 79%に及んだ.親の肥満について補正した後,幼少期肥満と関連させた成人期肥満のオッズ比は,1~2 歳児の肥満での 1.3(95%信頼区間,0.6~3.0)から,15~17 歳の肥満での 17.5(95%信頼区間,7.7~39.5)に及んだ.子の肥満状態について補正した後では,片親の肥満に関連した成人期肥満のオッズ比は,15~17 歳での 2.2(95%信頼区間,1.1~4.3)から,1~2 歳児の 3.2(1.8~5.7)に及んだ.
両親が肥満でない 3 歳未満の肥満児は,成人期での肥満のリスクが低いが,より年齢の高い子では,両親が肥満であると否とにかかわらず,肥満は成人期肥満のますます重要な予測因子となる.親の肥満は,年齢 10 歳未満の肥満児および非肥満児のいずれにおいても成人期肥満のリスクを 2 倍以上にする.