October 2, 1997 Vol. 337 No. 14
アジュバント化学療法を受けた高リスク閉経前乳癌女性における術後放射線療法
POSTOPERATIVE RADIOTHERAPY IN HIGH-RISK PREMENOPAUSAL WOMEN WITH BREAST CANCER WHO RECEIVE ADJUVANT CHEMOTHERAPY
M. OVERGAARD AND OTHERS
乳房切除後の放射線照射は,女性乳癌の局所性再発を低下させることができるが,それが生存を延長させるか否かについてはなお議論が分かれている.われわれは,高リスク閉経前女性における乳房切除後の放射線療法の無作為臨床試験を実施し,また全員にシクロホスファミド,メトトレキサート,およびフルオロウラシル(CMF)によるアジュバント全身化学療法も行った.
病理進行期 II または III 期の乳癌で,乳房切除を受けた女性 1,708 人を無作為割付けして,CMF 8 サイクルと胸壁および所属リンパ節の放射線照射(852 人)または CMF 9 サイクルのみ(856 人)を行った.追跡期間の中央値は 114 ヵ月であった.エンドポイントは,局所性再発,遠隔転移,無症候生存率,および生存率であった.
単独または遠隔転移を伴う局所性再発の発生率は,放射線療法と CMF 併用群の女性では 9%,そして CMF 単独群の女性では 32%であった(p<0.001).10 年後の無症候生存率の確率は,放射線療法と CMF 併用群の女性では 48%,そして CMF 療法のみで治療した女性では 34%であった(p<0.001).10 年生存率は,放射線療法と CMF 併用群の女性で 54%,そして CMF 単独群の女性では 45%であった(p<0.001).多変量解析により,乳房切除後の放射線照射は,腫瘍の大きさ,転移陽性リンパ節の数,または組織病理学的病期によらず,無症候生存率および生存率を有意に改善したことが示された.
高リスク閉経前乳癌女性において,乳房切除およびアジュバント化学療法後に術後放射線療法を行うと,局所性再発が減少し,生存期間が延長する.