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March 30, 2000 Vol. 342 No. 13

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ヒト免疫不全ウイルス 1 型のウイルス量と異性間伝播
Viral Load and Heterosexual Transmission of Human Immunodeficiency Virus Type 1

T.C. QUINN AND OTHERS

背景

ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)の異性間伝播におけるウイルス量の影響を,その他の危険因子との関連から検討した.

方 法

ウガンダのある農村地域に居住している 15,127 人を対象とした地域ベースの試験において,最初の検査でパートナーの片方が HIV-1 陽性で,もう片方は HIV-1 陰性であった 415 組のカップルを同定し,それらのカップルについて 30 ヵ月近くに及ぶ前向きの追跡調査を行った.初回検査で血清陰性であったパートナーにおける 100 人年当りの HIV-1 感染症の発症率を,行動学的および生物学的変数と関連させて検討した.

結 果

これらのカップルのうち,228 組は男性パートナーが HIV-1 陽性で,残りの 187 組は女性パートナーが HIV-1 陽性であった.初回検査で HIV-1 陰性であった 415 例のパートナーのうち,90 例にセロコンバージョンが認められた(発生率,100 人年当り 11.8).男性から女性への伝播率と,女性から男性への伝播率とのあいだに有意差は認められなかった(100 人年当り 12.0 対 100 人年当り 11.6).セロコンバージョンの発生率は,年齢が 15~19 歳のパートナーでもっとも高かった(100 人年当り 15.3).この発生率は,割礼を受けていなかった男性パートナーの 137 例では 100 人年当り 16.7 であったのに対して,割礼を受けていた男性パートナーの 50 例ではセロコンバージョンが認められた被験者はいなかった(p<0.001).血清中 HIV-1 RNA 量の平均は,パートナーにセロコンバージョンが発現した HIV-1 陽性被験者のほうが,パートナーにセロコンバージョンが発現しなかった HIV-1 陽性被験者よりも有意に多かった(90,254 コピー/mL 対 38,029 コピー/mL,p = 0.01).さらに,血清中 HIV-1 RNA 量が 1,500 コピー/mL 未満であった 51 例では,ウイルスの伝播が確認された被験者はいなかった;したがって,ウイルス量が増加するにつれて伝播が多くなるという有意な用量依存関係が認められた.HIV-1 RNA 量を対数変換した多変量解析では,ウイルス量が対数単位で増加するごとに,セロコンバージョンの発生率の比は 2.45 上昇していった(95%信頼区間,1.85~3.26).

結 論

ウイルス量は HIV-1 の異性間伝播のリスクについてのもっとも優れた予測量であり,HIV-1 RNA 量が 1,500 コピー/mL 未満の人々からの HIV-1 の伝播はまれである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 921 - 9. )