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November 23, 2000 Vol. 343 No. 21

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腎臓移植を受ける機会における人種的不均等 ― 臨床的に適切なものか,それとも実施の過不足によるものか?
Racial Disparities in Access to Renal Transplantation — Clinically Appropriate or Due to Underuse or Overuse ?

A.M. EPSTEIN AND OTHERS

背景

外科的手技の実施における人種的不均等を示す証拠が多数得られているにもかかわらず,これらの不均等は臨床的な適応性における人種差,あるいは医療の過不足における人種差が反映されたものなのかどうかということは確認されていない.

方 法

文献の再評価を行い,専門家委員会を利用して,末期腎疾患の患者における腎臓移植の適応を測定するための基準を開発した.米国の 5 州とコロンビア特別区において 1996 年または 1997 年に透析を受け始めた患者のデータを用いて,人種および性別で層別した 1,518 例の患者からなる無作為標本を選び出した(年齢範囲,18 ~ 54 歳).移植候補者としての患者の適応性を分類し,評価のために移植センターに紹介された割合,待機リストへの登録の割合,および移植を受けた割合についてのデータを,人種によって解析した.

結 果

黒人患者は,白人患者よりも,専門家の意見に基づいた適応性の基準では適応のある移植候補者として評価されにくく(黒人 71 例[ 9.0%]対 白人 152 例[ 20.9%]),評価が不完全になりやすいようであった(368 例[ 46.5%]対 282 例[ 38.8%],全体の c 2 検定で p < 0.001).適応のある移植候補者であると考えられた患者についてみると,医療記録上で確認した評価のための紹介(90.1% 対 98.0%,p = 0.008),待機リストへの登録(71.0% 対 86.7%,p = 0.007),移植の実施(16.9% 対 52.0%,p < 0.001)は,白人より黒人で少ない傾向にあった.適応のない移植候補者として分類された患者については,白人は,黒人よりも,評価のために紹介されやすく(57.8% 対 38.4%),待機リストに載せられやすく(30.9% 対 17.4%),移植を受けやすいようであった(10.3% 対 2.2%,これらの 3 項目のすべての比較において p < 0.001).

結 論

腎臓移植における人種的不均等は,移植の実施が黒人において少なすぎて白人において多すぎるということだけでなく,移植候補者としての適応性に影響を及ぼすような臨床特性の相違によっても生じている.人種的不均等を是正するためには,不均衡の個々の原因を区別し,原因に応じた介入法を開発することが必要であろう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1537 - 44. )