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May 31, 2001 Vol. 344 No. 22

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重度慢性心不全の生存に対するカルベジロールの効果
Effect of Carvedilol on Survival in Severe Chronic Heart Failure

M. PACKER AND OTHERS

背景

β遮断薬は,軽度から中等度の心不全患者で入院および死亡のリスクを低減させるが,重度心不全に対するこれらの効果はほとんどわかっていない.

方 法

安静時または最小労作時に心不全の症状があり,臨床的に循環血液量が正常で,かつ駆出率が 25%未満の患者 2,289 例について評価した.二重盲検法にて,これらの患者の 1,133 例をプラセボに,1,156 例をカルベジロールの治療に無作為に割付けた.平均治療期間は 10.4 ヵ月間で,心不全の標準療法はこの試験治療中も継続して行った.集中治療が必要であった患者,体液貯留が顕著であった患者,あるいは血管拡張薬または陽性変力作用薬を投与中の患者は除外した.

結 果

死亡患者は,プラセボ群が 190 例,カルベジロール群が 130 例であった.この差は,カルベジロールによって死亡リスクが 35%低下したことを表す(95%信頼区間,19~48%;p = 0.0014,中間解析のための補正あり).また,プラセボ群では合計で 507 例の患者が死亡または入院したのに対して,カルベジロール群では 425 例であった.この差は,カルベジロールによって死亡または入院を合せた複合リスクが 24%低下したことを表す.これらの両方のエンドポイントに対する好ましい効果は,今回検討したすべての部分患者集団において一貫して認められた.さらに,有害事象や他の理由によって試験から脱落した患者も,プラセボ群よりもカルベジロール群で少なかった(p = 0.02).

結 論

軽度から中等度の心不全の患者においてすでに報告されているカルベジロールの病的状態および死亡に関する有益性は,この試験で評価した重度心不全の患者でも確認された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 344 : 1651 - 8. )