The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 21, 2001 Vol. 344 No. 25

糖蛋白 IIb / IIIa 阻害薬チロフィバンの治療を受けている不安定冠動脈症候群の患者を対象とした早期侵襲的治療戦略と保存的治療戦略の比較
Comparison of Early Invasive and Conservative Strategies in Patients with Unstable Coronary Syndromes Treated with the Glycoprotein IIb / IIIa Inhibitor Tirofiban

C.P. CANNON AND OTHERS

背景

ST 部の上昇を伴わない不安定狭心症と心筋梗塞の管理において,保存的治療戦略よりも,通常行われる早期侵襲的治療戦略がまさっているかについて論争が続いている.

方 法

試験には,ST 部の上昇は認められないものの,心電図による ST 部や T 波の変化を示す所見,心マーカーの値の上昇,冠動脈疾患の病歴のいずれか,あるいはこれらの 3 項目がすべて認められる不安定狭心症および心筋梗塞の患者 2,220 例を組み入れた.なお,試験に組み入れられたすべての患者は,アスピリン,ヘパリン,および糖蛋白 IIb / IIIa(GP IIb / IIIa)阻害薬のチロフィバン(Tirofiban)の治療を受けていた.これらの患者を,4 ~ 48 時間以内に通常のカテーテルを実施し,必要に応じて血行再建を実施する早期侵襲的治療戦略,または再発性虚血の客観的所見やストレス試験によって異常が認められた患者にのみカテーテル法を実施するより保存的(選択的に侵襲的)治療戦略に無作為に割付けた.主要エンドポイントは,試験 6 ヵ月での死亡,非致死的心筋梗塞,および急性冠症候群による再入院を合せた複合エンドポイントとした.

結 果

6 ヵ月での主要エンドポイントの発生率は,早期侵襲的治療戦略を用いた場合には 15.9%,保存的治療戦略を用いた場合には 19.4%であった(オッズ比,0.78;95%信頼区間,0.62 ~ 0.97;p = 0.025).6 ヵ月目の時点における死亡または非致死的心筋梗塞の発生率にも,同様の低下が認められた(7.3% 対 9.5%;オッズ比,0.74;95%信頼区間,0.54 ~ 1.00;p < 0.05).

結 論

糖蛋白 IIb / IIIa 阻害薬チロフィバンの治療を受けていた ST 部の上昇を伴わない不安定狭心症および心筋梗塞の患者において,早期侵襲的治療戦略を採用した結果,重大な心イベントの発生が有意に減少した.ここで得られたデータは,このような患者に対して,早期侵襲的治療戦略を併用した糖蛋白 IIb / IIIa 阻害薬の早期治療の適用範囲を広げることを取り入れた方針を支持するものである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 344 : 1879 - 87. )