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October 11, 2001 Vol. 345 No. 15

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腫瘍壊死因子 α 中和物質であるインフリキシマブに関連した結核
Tuberculosis Associated with Infliximab, a Tumor Necrosis Factor α -Neutralizing Agent

J. KEANE AND OTHERS

背景

インフリキシマブ(infliximab)は,クローン病と慢性関節リウマチの治療に用いられているヒト型抗腫瘍壊死因子 α (TNF - α )抗体である.全世界で約 147,000 例の患者が,インフリキシマブの投与を受けている.過剰な TNF - α は結核に関連して,体重減少と寝汗を発現させることがあるが,動物モデルでは,結核に対する宿主反応において防御的役割が認められている.結核患者においては,TNF - α の防御的役割を示すような直接証拠は得られていない.

方 法

米国食品医薬品局(FDA)のメドウォッチ(MedWatch)の副作用等自発的報告制度によって,2001 年 5 月 29 日現在にまでに受領された,インフリキシマブ療法後の結核に関するすべての報告書について分析した.

結 果

中央値で 12 週間のインフリキシマブによる治療後の結核について,70 例の症例報告があった.48 例の患者では,3 回またはそれよりも少数回の投与後に結核が発症していた.患者の 40 例は肺外結核であった(播種性結核が 17 例,リンパ節結核が 11 例,腹膜結核が 4 例,胸膜結核が 2 例,髄膜,腸,傍脊椎,骨,生殖器,および膀胱の結核が各 1 例ずつ).結核の診断は,33 例の患者では生検によって確定されていた.70 例の報告のうち,64 例は結核の罹患率の低い国からの報告であった.インフリキシマブ療法に関連した結核の報告頻度は,この薬剤に関連したその他の日和見感染症の報告頻度よりもかなり高かった.さらに,インフリキシマブの治療を受けた患者において報告された結核症例の割合は,入手できた背景割合よりも高かった.

結 論

インフリキシマブの治療開始後すぐに,活動性結核が発症する可能性がある.医師は,この薬剤の処方に先だって,患者に潜伏した結核感染や結核のスクリーニングを実施すべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 1098 - 104. )