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October 11, 2001 Vol. 345 No. 15

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中年後期における医療保険の欠如と全身健康状態の減退
Lack of Health Insurance and Decline in Overall Health in Late Middle Age

D.W. BAKER, J.J. SUDANO, J.M. ALBERT, E.A. BORAWSKI, AND A. DOR

背景

米国では医療保険に加入していない 50 代および 60 代の成人の人数が増加している.この年齢集団は,保険に加入していないことによる不運な影響を,とくに受けやすいのかもしれない.

方 法

健康と退職の研究(the Health and Retirement Study)は 1992 年に 51~61 歳であった成人を対象とした全国調査であるが,この資料を用いて前向きコホート研究を実施した.継続的に保険に加入していない参加者(1992 年と 1994 年の時点において保険に加入していない),断続的にしか保険に加入ていない参加者(1992 年または 1994 年のどちらかの時点において保険に加入していない),および継続的に保険に加入していた参加者において,1992~96 年の期間の,全身健康状態の顕著な減退および新たな身体的障害の発現のリスクを測定した.ロジスティック回帰を用いて,研究開始時の社会人口統計学的因子,すでに存在していた医学的状態,および喫煙や飲酒習慣のような健康に関連した行動様式によって補正した,健康状態の転帰に対する保険に加入していないことの独立した影響を確定した.

結 果

7,577 例の参加者のデータを解析した.1992~96 年の期間には,717 例の継続的保険不加入の参加者と 825 例の断続的保険不加入の参加者のほうが,6,035 例の継続的保険加入の参加者よりも,全身健康状態の顕著な減退をよりきたしやすいようであった(3 群のそれぞれで,21.6%,16.1%,および 8.3%;両方の比較において p<0.001).多変量解析からは,全身健康状態の顕著な減退の補正相対危険度が,継続的保険加入の参加者と比較したときに,継続的保険不加入の参加者で 1.63(95%信頼区間,1.26~2.08),断続的保険不加入の参加者で 1.41(95%信頼区間,1.11~1.78)であった.歩行や階段昇りにおける新たな困難も,持続的あるいは断続的な保険不加入の参加者のほうが,持続的保険加入の参加者よりも,より発現しやすいようであった(3 群のそれぞれで,28.8%,26.4%,および 17.1%;両方の比較において p<0.001).このような新たな身体的障害の補正相対危険度は,持続的保険不加入の参加者では 1.23(95%信頼区間,1.02~1.47),断続的保険不加入の参加者では 1.26(95%信頼区間,1.01~1.54)であった.

結 論

医療保険がないことは,51~61 歳の成人においては,全身健康状態の減退のリスクの上昇と結び付いている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 1106 - 12. )