The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

July 26, 2001 Vol. 345 No. 4

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

化学療法耐性有毛細胞白血病に対する抗 CD22 遺伝子組換え免疫毒素 BL22 の有効性
Efficacy of the Anti-CD22 Recombinant Immunotoxin BL22 in Chemotherapy-Resistant Hairy-Cell Leukemia

R.J. KREITMAN AND OTHERS

背景

クラドリビンなどのプリン類似化合物による治療に耐性を示す有毛細胞白血病は,予後が不良である.われわれは,白血化有毛細胞に強く発現されている表面抗原に作用する免疫毒素について,安全性および有効性の試験を行った.

方 法

RFB4(dsFv)-PE38(BL22)は,トランケイトによって先端を欠失させたシュードモナス属の外毒素と抗 CD22 の可変領域(Fv)とを融合させた遺伝子組換え免疫毒素である.これを,用量漸増試験にて,静脈内注入によって隔日に合計で 3 回投与した.

結 果

クラドリビン耐性の患者 16 例のうち,BL22 によって,11 例が完全寛解,2 例が部分寛解に達した.反応がなかった 3 例は,BL22 量が低用量であったり,あるいは毒素中和抗体がすでに存在していた.完全寛解の 11 例の患者のうちの 2 例には,骨髄あるいは血液中に残存微少腫瘍があった.追跡調査期間の中央値が 16 ヵ月(範囲,10~23 ヵ月間)の時点までに,完全寛解の 11 例の患者のうち 3 例に再発が認められ,再治療が行われた;これらの患者は,全例が 2 度目の完全寛解に達した.治療を受けた 16 例の患者のうち 2 例に,重篤ではあるが完全に可逆性の溶血性尿毒症症候群が BL22 治療の 2 サイクル目に発現した.発現頻度の高かった毒性作用は,一過性の低アルブミン血症とアミノトランスフェラーゼ値の上昇などであった.

結 論

BL22 は,プリン類似化合物の治療に耐性の有毛細胞白血病の患者を,完全寛解に導入させることができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 241 - 7. )