The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 23, 2001 Vol. 345 No. 8

心不全患者における頸静脈圧の上昇および心臓の III 音の予後的重要性
Prognostic Importance of Elevated Jugular Venous Pressure and a Third Heart Sound in Patients with Heart Failure

M.H. DRAZNER, J.E. RAME, L.W. STEVENSON, AND D.L. DRIES

背景

心不全の患者における頸静脈圧の上昇あるいは III 音の独立予後因子としての価値は,十分に確証されていない.

方 法

左室機能障害に関する研究(the Studies of Left Ventricular Dysfunction)の後ろ向き解析を実施した.この試験では,症候性心不全またはその病歴を有する 2,569 例の患者が,エナラプリルまたはプラセボの投与に無作為に割付けられた.平均(± SD)追跡調査期間は 32 ± 15 ヵ月間であった.頸静脈圧の上昇または III 音の存在は,試験組み入れ時の理学的検査によって確認された.心不全による入院のリスクおよびポンプ機能不全による死亡と定義された心不全の進行のリスクと,死亡または心不全による入院の複合エンドポイントを,理学的検査で,これらの所見が認められた患者と認められなかった患者において比較した.

結 果

その他の心不全の重症度マーカーで補正した多変量解析において,頸静脈圧の上昇は,心不全による入院(相対危険度,1.32;95%信頼区間,1.08 ~ 1.62;p < 0.01),死亡または心不全による入院(相対危険度,1.30;95%信頼区間,1.11 ~ 1.53;p < 0.005),およびポンプの機能不全による死亡(相対危険度,1.37;95%信頼区間,1.07 ~ 1.75;p < 0.05)のリスクの上昇に関連していた.III 音の存在も,これらの転帰の同様のリスクの上昇に関連していた.

結 論

心不全の患者では,頸静脈圧の上昇と III 音が,心不全の進行を含んだ有害転帰に,それぞれ独立に関連している.これらの所見に対する考察は臨床的に意味がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 574 - 81. )