September 13, 2001 Vol. 345 No. 11
女性における食事と生活様式と2 型糖尿病のリスク
Diet, Lifestyle, and the Risk of Type 2 Diabetes Mellitus in Women
F.B. HU AND OTHERS
先行研究では,2 型糖尿病と関係して,食事と生活様式の要因が個別に調べられているが,これらの要因を結合した影響はほとんどわかっていない.
84,941 例の女性看護婦を 1980~96 年まで追跡調査した;これらの女性は,調査開始時点において,心血管系疾患,糖尿病,および癌の診断を受けていなかった.食事と生活様式に関する情報は,定期的に更新された.低リスク群は,以下の五つの変数の組み合せに従って定義した:体格指数 BMI(kg で表示した体重を m で表示した身長の二乗で除したもの)が 25 未満;穀物線維と多不飽和脂肪が多く,トランス型脂肪と糖負荷の少ない食事(これは血糖値への食事の影響を反映している);1 日少なくとも半時間,中等度~強度の身体活動に従事;現在禁煙中;および 1 日少なくとも平均半杯のアルコール飲料の消費.
16 年間の追跡調査期間中に,2 型糖尿病の新患症例が 3,300 例確認された.過体重あるいは肥満が,単独での糖尿病のもっとも重要な予測因子であった.運動不足,わるい食事,現在喫煙中,および禁酒は,BMI で補正しても,すべてが糖尿病のリスクの有意な上昇と関連していた.低リスク群の女性(これらの女性の 3.4%)は,このコホートの残りの女性と比較して,糖尿病の相対危険度が 0.09(95%信頼区間,0.05~0.17)であった.このコホートの糖尿病症例のうち合計 91%(95%信頼区間,83~95%)が,低リスクのパターンに合致していなかった習慣および行動様式によるものである可能性があった.
この研究結果は,2 型糖尿病の症例の大多数が,より健康的な生活様式を取り入れることによって予防できるという仮説を支持する.