The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 25, 2002 Vol. 346 No. 17

急性呼吸窮迫症候群における死亡のリスク因子としての肺死腔率
Pulmonary Dead-Space Fraction as a Risk Factor for Death in the Acute Respiratory Distress Syndrome

T.J. NUCKTON AND OTHERS

背景

急性呼吸窮迫症候群の経過の初期に測定されたときに,死亡のリスクを独立に予測する単一の肺特異的変数は,低酸素血症の重症度を含め,見付かっていない.この症候群の観察研究において,肺死腔率の増加が報告されていることから,われわれは,この疾病の経過の初期において死腔率を体系的に測定し,死亡のリスクとの潜在的な関連を評価した.

方 法

死腔率は,挿管患者 179 例について急性呼吸窮迫症候群の発現後平均(±SD)10.9±7.4 時間で,前向きに測定した.付加的な臨床的および生理学的変数は,多重ロジステック回帰を用いて分析した.この研究の転帰は,退院前の死亡であった.

結 果

平均の死腔率は,急性呼吸窮迫症候群の経過初期において顕著に上昇し(0.58±0.09),死亡患者では生存患者よりも高かった(0.63±0.10 対 0.54±0.09,P<0.001).死腔率は,死亡に対する独立のリスク因子であった:0.05 上昇するごとに死亡オッズは 45%上昇した(オッズ比,1.45;95%信頼区間,1.15~1.83;P=0.002).死亡のリスク増加に関するその他の独立予測因子は,疾病の重症度の指標である簡易急性生理スコア II(オッズ比,1.06;95%信頼区間,1.03~1.08;P<0.001)と準静的肺コンプライアンス(オッズ比,1.06;95%信頼区間,1.01~1.10;P=0.01)だけであった.

結 論

増加した死腔率は,急性呼吸窮迫症候群の初期相の特色である.上昇した値は,死亡のリスク増加と関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 1281 - 6. )