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June 6, 2002 Vol. 346 No. 23

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40~49 歳の人におけるスクリーニング結腸鏡検査の結果
Results of Screening Colonoscopy among Persons 40 to 49 Years of Age

T.F. IMPERIALE AND OTHERS

背景

40~49 歳の人における結腸鏡検査で同定された結腸直腸病変の有病率は明らかにされていない.

方 法

雇用主によるスクリーニング結腸鏡検査プログラムに自発的に参加した 40~49 歳の人連続 906 名の処置および病理学報告書を検討した.内視鏡で診断され切除された病変の組織学的特徴は,近位(左結腸曲と下行結腸の接合部まで)で切除されたもっとも進行した病変,および遠位で切除されたもっとも進行した病変の特徴によって分類した.進行病変の定義は,直径 1 cm 以上の腺腫,繊毛状の組織学的特徴または高度の異形成を有するポリープ,または癌とした.

結 果

結腸鏡スクリーニング検査受診者のうち,78.9%は病変が検出されず,10.0%は過形成性ポリープ,8.7%は管状腺腫,3.5%は進行した新生物を有していたが,いずれも癌性ではなかった(癌に対する 95%信頼区間 0~0.4%).進行した新生物 33 例中 18 例(55%)は遠位に位置し,S 状結腸鏡が届き得るところにあった.これらの結果を一般集団に適用できるとすると,この年齢群で 1 例の癌を発見するには,少なくとも 250 人,おそらく 1,000 人以上のスクリーニング検査が必要なことになる.

結 論

40~49 歳の症状のない人では,結腸鏡検査により結腸直腸癌が発見されることはまれである.非癌病変は近位と遠位に同等に分布している.この年齢群におけるスクリーニング結腸鏡検査で病変発見率が低いことは,平均的なリスクの人でのスクリーニング開始年齢に関する最近の勧告と一致している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 1781 - 5. )