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June 6, 2002 Vol. 346 No. 23

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遺伝性アミロイドーシスを AL(原発性)アミロイドーシスと誤診
Misdiagnosis of Hereditary Amyloidosis as AL (Primary) Amyloidosis

H.J. LACHMANN AND OTHERS

背景

遺伝性常染色体優性アミロイドーシスは,トランスサイレチン,フィブリノーゲン A α鎖,リゾチーム,またはアポリポ蛋白 A-I をコード化する遺伝子の突然変異によって起るが,きわめてまれな疾患と考えられており,そのため家族歴がない限り,全身性アミロイドーシスの鑑別診断の対象には通常含まれない.

方 法

われわれは,アミロイド発生遺伝子突然変異の有無を評価するため,臨床・検査所見と家族歴がないことから軽鎖(AL)型疾患の診断が示唆された全身性アミロイドーシス患者 350 例を研究した.

結 果

アミロイド発生遺伝子突然変異は,患者 350 例中 34 例(9.7%)に存在しており,この遺伝子変異はフィブリノーゲン A α鎖(18 例)とトランスサイレチン(13 例)をコードする遺伝子にもっともよく起っていた.これら患者 34 例すべてに対し,追加検査により遺伝性アミロイドーシスの診断が確認された.34 例中,8 例(24%)では軽度の単一クローン性高ガンマグロブリン血症が発見された.

結 論

反応性全身性アミロイド A 型でないアミロイドーシス患者と AL 型の確認が得られなかったアミロイドーシス患者のすべてにおいて,遺伝子的原因を検索すべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 1786 - 91. )