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February 28, 2002 Vol. 346 No. 9

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慢性骨髄性白血病におけるメシル酸イマチニブへの血液学的・細胞遺伝学的効果
Hematologic and Cytogenetic Responses to Imatinib Mesylate in Chronic Myelogenous Leukemia

H. KANTARJIAN AND OTHERS

背景

慢性骨髄性白血病(CML)は,フィラデルフィア染色体産物である BCR-ABL チロシンキナーゼが原因で発症する.以前は STI571 として知られていたメシル酸イマチニブ(imatinib mesylate)は,このキナーゼに対する選択的阻害剤である.

方 法

インターフェロン α 治療に失敗した,長期にわたって慢性期にある CML 患者合計 532 例に毎日 400 mg の経口イマチニブを投与した.患者の細胞遺伝学的および血液学的効果を評価した.進行時間,生存および毒作用も評価した.

結 果

イマチニブは,慢性期 CML と確認された患者 454 例のうち 60%で主要な細胞遺伝学的効果を示し,95%で完全な血液学的効果を示した.中央値で 18 ヵ月の追跡期間後,およそ 89%の患者では CML が移行期または急性転化期には進行することなく,95%の患者は生存していた.グレード 3 または 4 の非血液学的毒作用はまれにしかみられず,血液学的毒作用は対処可能であった.薬物に関連した有害事象のため治療を中止した患者はわずか 2%で,治療に関連した死亡はなかった.

結 論

イマチニブはインターフェロン α 治療に失敗した慢性期 CML 患者に対し,高い割合で細胞遺伝学的・血液学的効果を示した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 645 - 52. )