The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 14, 2002 Vol. 347 No. 20

初回心血管系イベントの予測におけるC 反応性蛋白濃度と低比重リポ蛋白コレステロール濃度の比較
Comparison of C-Reactive Protein and Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels in the Prediction of First Cardiovascular Events

P.M. RIDKER, N. RIFAI, L. ROSE, J.E. BURING, AND N.R. COOK

背景

心血管系イベントのリスクを有する者では,C 反応性蛋白濃度と低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール濃度は共に上昇している.しかし,これら 2 つの生物学的マーカーを直接比較している人口ベースのデータはない.

方 法

明らかに健常な米国人女性 27,939 人を対象に,ベースライン時の C 反応性蛋白と LDL コレステロールを測定し,その後平均 8 年,心筋梗塞,虚血性脳卒中,冠動脈再建,または心血管系の原因による死亡の発生について追跡した.研究対象集団における心血管系イベントのリスクを予測するうえでのこれら 2 つの測定値の有用性を評価した.

結 果

C 反応性蛋白と LDL コレステロールは,ほとんど相関していなかったが(r=0.08),それぞれのベースライン値は,心血管系イベントの発生率と強い直線的相関関係にあった.年齢,喫煙状況,糖尿病の有無,カテゴリー分けした血圧レベル,およびホルモン補充療法の使用の有無を補正後,初回心血管系イベントの相対リスクは,C 反応性蛋白の最小 5 分位群の女性と比較して,4 つの 5 分位群が高まるにつれてそれぞれ,1.4,1.6,2.0,2.3 であった(P<0.001).一方,LDL コレステロールの 5 分位群が高まるにつれて,それに対応した相対リスクは,最小 5 分位群と比較してそれぞれ 0.9,1.1,1.3,1.5(P<0.001)であった.同様の影響が,複合エンドポイントの各成分に対する個々の分析や,ホルモン補充療法の使用者と非使用者のあいだにみられた.全体的に,全イベントの 77%は LDL コレステロール濃度が 160 mg/dL(4.14 mmol/L)未満の女性で発生し,46%は LDL コレステロール濃度が 130 mg/dL(3.36 mmol/L)未満の女性で発生した.それに対して,C 反応性蛋白と LDL コレステロールの測定値は,異なった高リスク群を同定する傾向があったため,両方の生物学的マーカーに対するスクリーニングが,いずれか単独のスクリーニングよりもよりよい予後に関する情報を提供した.また,フラミンガムリスクスコア(Framingham risk score)の全成分で補正した分析では,C 反応性蛋白について独立した影響が観察された.

結 論

これらのデータは,C 反応性蛋白濃度が,LDL コレステロール濃度よりも心血管系イベントのより有力な予測因子であり,それがフラミンガムリスクスコアがもたらす予後情報に,さらに追加の情報を付け加えることを示唆している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1557 - 65. )