November 21, 2002 Vol. 347 No. 21
心筋梗塞後の高齢者の外来診療を行う医師の専門領域と死亡率
Specialty of Ambulatory Care Physicians and Mortality among Elderly Patients after Myocardial Infarction
J.Z. AYANIAN, M.B. LANDRUM, E. GUADAGNOLI, AND P. GACCIONE
心筋梗塞後の転帰は,外来診療を提供する医師の種類に影響されるかもしれない.
1994~95 年に米国の 7 つの州で,心筋梗塞で入院し,退院後 3 ヵ月以上生存した 65 歳以上の患者 35,520 例を対象に検討した.メディケアの請求データから,循環器医,内科医,家庭医への外来受診を同定した.人口統計学的特性,臨床的特性,病院の特性を補正するために傾向スコアを用いて,退院後 3 ヵ月以内に循環器医の治療を受ける推定の傾向で患者マッチさせ,治療と 2 年死亡率を分析した.
退院後 3 ヵ月間に内科医または家庭医のみを受診した患者と比較して,循環器医を受診した患者は,年齢が低く,白人である確率が高く,男性である確率が高く,併存疾患が少なく,入院中に侵襲的な心臓手技を受ける確率が高かった(すべての比較について P<0.01).循環器医を受診した患者は,退院後に心臓手技を受ける確率と,心臓リハビリテーションを受ける確率が高かった.循環器医を受診した患者は,内科医または家庭医のみを受診したマッチさせた患者と比較して,2 年死亡率が低かった(14.6% 対 18.3%,P<0.001).循環器医と内科医または家庭医の両方を受診した患者は,循環器医のみを受診したマッチさせた患者よりも死亡率が低かった(11.1% 対 12.1%,P=0.02).
循環器医を外来受診することは,心臓手技がより多く行われることと関連し,心筋梗塞後の死亡率が低いことと関連した.内科医または家庭医による診療を同時に受けることは,死亡率のさらなる低下と関連した.