The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

November 28, 2002 Vol. 347 No. 22

インドの内臓リーシュマニア症に対する経口ミルテホシン
Oral Miltefosine for Indian Visceral Leishmaniasis

S. SUNDAR AND OTHERS

背景

内臓リーシュマニア症は年間 50 万症例あり,主にインド亜大陸で発生している.未治療患者はほぼ全例が死亡するが,有効な薬剤はすべて非経口薬である.ミルテホシン(miltefosine)は,インドの内臓リーシュマニア症に対し,少数の患者で良好な治療成績を示すことが明らかになった経口薬である.インドにおいて,ミルテホシンともっとも効果的な標準治療であるアムホテリシン B とを比較する臨床試験を実施した.

方 法

試験は無作為非盲検比較試験とし,12 歳以上の患者 299 例にはミルテホシンの経口投与(1 日量 50 mg あるいは 100 mg[体重 1 kg 当り約 2.5 mg ]を 28 日間),患者 99 例にはアムホテリシン B の静脈内投与(隔日で体重 1 kg 当り 1 mg を計 15 回)を行った.

結 果

両群は,年齢,体重,過去にリーシュマニア症治療が失敗した割合,脾臓吸引液の寄生虫検査による重症度および脾腫に関してよく一致していた.治療終了時,ミルテホシン群の患者 293 例,アムホテリシン B 群の患者 98 例から脾臓吸引液を得た.寄生虫は検出されず,初回治癒率は 100%であった.治療完了後 6 ヵ月までは,ミルテホシン群の患者 299 例中 282 例(94%[ 95%信頼区間 91~97 ]),アムホテリシン B 群の患者 99 例中 96 例(97%)に,再発が認められなかった;これらの患者は治癒と分類した.通常 1~2 日間続く嘔吐,下痢は,それぞれミルテホシン群の患者の 38%,20%にみられた.

結 論

経口ミルテホシンは,インドの内臓リーシュマニア症に対し,効果的で安全な治療法である.ミルテホシンは,経口投与ができることから,とりわけ有利である可能性がある.また,現行の薬剤に寄生虫が耐性を示す地域においても,有用な可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1739 - 46. )