The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 15, 2002 Vol. 347 No. 7

進行した消化管間質腫瘍に対するメシル酸イマチニブの有効性と安全
Efficacy and Safety of Imatinib Mesylate in Advanced Gastrointestinal Stromal Tumors

G.D. DEMETRI AND OTHERS

背景

KIT 受容体チロシンキナーゼの恒常的な活性化は,消化管間質腫瘍の決定的な病因である.メシル酸イマチニブは,選択的チロシンキナーゼ阻害剤であり,前臨床モデルおよび予備的な臨床試験で,消化管間質腫瘍に対して活性をもつことが示されている.

方 法

非盲検無作為多施設共同試験を行い,進行した消化管間質腫瘍患者に対するイマチニブの活性を評価した.抗腫瘍反応と薬剤の安全性および忍容性を評価した.患者のサブグループでは薬物動態を評価した.

結 果

患者計 147 例を,連日 400 mg または 600 mg のイマチニブ投与に無作為に割付けた.全体では,79 例(53.7%)が部分寛解,41 例(27.9%)が病態安定となり,技術的な理由から 7 例(4.8%)の反応は評価できなかった.治療に対し完全寛解が得られた患者はいなかった.奏効になったあと 24 週間(中央値)の追跡調査期間では,奏効期間の中央値にまでには達していなかった.イマチニブに対する初期耐性が,20 例(13.6%)に認められた.治療は忍容性が高かったが,軽度から中等度の浮腫,下痢,および疲労がよく認められた.消化管または腹腔内出血が患者の約 5%で起った.2 用量で毒性作用や反応に有意差は認められなかった.イマチニブはよく吸収され,薬物動態は慢性骨髄性白血病患者で報告された結果とほぼ同じであった.

結 論

イマチニブは進行した切除不可能または転移性の消化管間質腫瘍患者の半数以上において,持続的に客観的反応を誘起した.KIT シグナル伝達経路の阻害は,従来の化学療法に抵抗性を示す進行した消化管間質腫瘍に対する有望な治療法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 472 - 80. )