The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 15, 2002 Vol. 347 No. 7

血小板由来増殖因子受容体 β の再構成を伴う慢性骨髄増殖性疾患患者のメシル酸イマチニブに対する反応
Response to Imatinib Mesylate in Patients with Chronic Myeloproliferative Disease with Rearrangements of the Platelet-Derived Growth Factor Receptor Beta

J.F. APPERLEY AND OTHERS

背景

慢性骨髄増殖性疾患患者のうち少数は,血小板由来増殖因子受容体 β(PDGFRB)の遺伝子が恒常的に活性化されているが,この遺伝子は受容体のチロシンキナーゼをコードしている.PDGFRB 遺伝子は染色体 5q33 に位置し,活性化は通常,ETV6-PDGFRB 融合遺伝子と関連のある t(5;12)(q33;p13)転座によって起る.チロシンキナーゼ阻害剤であるメシル酸イマチニブは,ABL,PDGFR,および KIT キナーゼを特異的に阻害し,BCR-ABL 陽性の慢性骨髄性白血病で際立った臨床効果を示す.

方 法

5q33 に関与する染色体転座を伴う慢性骨髄増殖性疾患患者 4 例に,メシル酸イマチニブ(連日 400 mg)を投与した.4 例中 3 例は白血球増加と好酸球増加を示していた;これらの患者の白血病細胞は ETV6-PDGFRB 融合遺伝子をもっていた.4 例目は白血球増加,好酸球増加,および PDGFRB と未知のパートナー遺伝子が関与する t(5;12)転座を有していた;この患者はまた,広範囲で隆起し,潰瘍化した皮膚病変が長期間発現していた.

結 果

4 例全例で,治療開始後 4 週間以内に正常な血球数になった.皮膚病変を有する患者では,治療開始後間もなく病変が消退し始めた.t(5;12)転座は,3 例では 12 週後までに,4 例目では 36 週後までに検出不能になった.ETV6-PDGFRB 融合遺伝子を有する 3 例では転写レベルが低下し,1 例では 36 週後までに検出不能になった.全例における効果は,追跡調査 9~12 ヵ月目でも持続していた.

結 論

メシル酸イマチニブは,PDGFRB の活性化を伴う慢性骨髄増殖性疾患の患者において長期持続する効果を誘起する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 481 - 7. )