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September 19, 2002 Vol. 347 No. 12

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学齢児におけるエンドトキシンへの環境曝露と喘息の関係
Environmental Exposure to Endotoxin and Its Relation to Asthma in School-Age Children

C. BRAUN-FAHRLANDER AND OTHERS

背景

幼少期では,先天免疫系は,微生物の生きている部分も生きていない部分も認識することができる.免疫活性化は,免疫反応に影響し,それにより動物の鱗屑あるいは木や草の花粉のようなアレルゲンに対する耐性を与える.

方 法

ドイツ,オーストリア,スイスの農家と非農家両方のある田園地帯に在住の,6~13 歳の児童をもつ親に,喘息と花粉症について標準化質問票に記入してもらった.血液検体を児童から採取し,アトピー感作に対し検査した;また末梢血白血球も検査のため検体から採取した.これらの児童の寝具中のエンドトキシン濃度については,臨床所見とリポ多糖体およびブドウ球菌エンテロトキシン B で刺激された末梢血白血球のサイトカイン産生の特性と関連付けて検討した.児童 812 人について,全部のデータが利用可能であった.

結 果

児童のマットレスから採取された,ほこりの検体中のエンドトキシン濃度は,花粉症,アトピー性喘息およびアトピー感作の発現と負の関連を示した.非アトピー性喘鳴は,エンドトキシン濃度とは有意に関連していなかった.また,白血球によるサイトカイン産生(腫瘍壊死因子α ,インターフェロンγ,インターロイキン 10,インターロイキン 12 の産生)は,寝具中のエンドトキシン濃度に負の関連を示し,曝露された児童での免疫反応の著しいダウンレギュレーションを示唆していた.

結 論

被験者のエンドトキシンへの環境曝露は,自然環境中の遍在アレルゲンに対する耐性の発現に重大な役割をもつ可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 869 - 77. )