The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 26, 2002 Vol. 347 No. 13

重症敗血症に対する活性化プロテイン C 療法の経済評価
An Economic Evaluation of Activated Protein C Treatment for Severe Sepsis

B.J. MANNS, H. LEE, C.J. DOIG, D. JOHNSON, AND C. DONALDSON

背景

遺伝子組換えヒト活性化プロテイン C は,PROWESS(Recombinant Human Activated Protein C Worldwide Evaluation in Severe Sepsis,重症敗血症における遺伝子組換えヒト活性化プロテイン C の世界的評価)試験において,重症敗血症患者の死亡率を低下させることが判明した.この試験データを米国食品医薬品局(FDA)が事後再解析したところ,死亡率の低下は APACHE II(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation,急性生理異常・慢性度による重症度評価)スコアが 25 以上の患者に限られていたことが示唆された.

方 法

重症敗血症患者に対する活性化プロテイン C の,従来の医療と比較した費用効果を推定した.患者全例に対し経済分析を行い,また年齢および疾患重症度により定義したサブグループの分析も行った.臨床状態間の推移確率(重症患者の何%が軽症になるかなど)と資源利用の推定値は,重症敗血症患者の人口ベースのコホート集団から導いた.PROWESS 試験と FDA の解析から,活性化プロテイン C の有効性についてのデータを利用した.

結 果

活性化プロテイン C で全患者を治療した場合の,救命-年当りの医療費は,2 万 7,936 ドルであった.APACHE II スコアが 25 以上の患者を治療する(救命-年当りの医療費 2 万 4,484 ドル)ほうが,APACHE II スコアの低い患者を治療する(救命-年当りの医療費 3 万 5,632 ドル)より費用効果は高かった.APACHE II スコアが 24 以下の患者の治療に対する費用効果は,FDA による効果の推測値を考慮すると,救命-年当り 57 万 5,054 ドルに増大した.APACHE II スコアが 25 以上の患者では,救命-年当りの医療費は,年齢と共に増加した(40 歳未満の患者で 1 万 6,309 ドル;80 歳以上の患者で 2 万 8,100 ドル).

結 論

活性化プロテイン C は,重症敗血症患者,重症度のより高い患者(APACHE II スコアが 25 以上),敗血症の発症から生き延びた場合に妥当な平均余命を有する患者を標的にすると,比較的費用効果が高い.敗血症患者や重症度の低い患者に対する活性化プロテイン C の費用効果を検討するためには,さらなる調査が必要である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 993 - 1000. )